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日々の出来事を徒然なるままに…


  古いオルゴールゲット
Date: 2021-10-16 (Sat)
一昨日の話ですがオークションで古い小さな(ケースの幅が36p)オルゴールをゲットしました。落札価格は200ポンド=30,800円! こんなに安く落とせたのはこのオークションではアクセサリー(ブレスレットやネックレス、イヤリング、懐中時計の類)が800点も出品されていて、オルゴールはたったの3点だけだったためでしょう。オルゴールの事を熟知した競争相手は誰も参加していなかったと思います。

このオルゴールは1830〜50年ごろにスイスで作られたものです。オークショニアはジュネーブに在った名工の誉れ高いニコルフレール工房の作品と称していましたが、私はスイスの名もなき小さな工房(製造番号が6071と小さいので)の作品と思います。当時の習慣でメーカーが社名を刻印しない場合がとても多かったのです。ケースがきれいすぎるので、傷んだケースが後世になってから丸ごと取り換えられたのかも。ケースの長さは36センチほど。残念ながら曲目リストは失われています。写真で見ると櫛歯はたぶん無事。

初期のオルゴールの特徴をすべて備えた作品なので、コストダウンなんて考えずに、まじめに編曲者の思うとおりに作られた音楽的に優れた作品と思います。ケースの蓋についているツマミはご愛嬌、当時のオルゴールには、こんな変なものはついていないはず。何も知らないシロートが勝手に取り付けたものでしょう。

早く手許に届いて聴いてみたいものです。故障してないといいのですが、若干心配。多分知り合いの工房で簡単な手入れと注油が必要でしょう。もし間に合えば伊豆の秋季大会で披露したいですね。

でも昨夜、「オルゴール買ったんだから・・・こちらも」と言われて近所の寿司屋さんでウニのテイクアウト2,600円也は予定外、痛い。

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  ノートパソコン
Date: 2021-04-10 (Sat)

木曜日の話ですが大阪の日本橋(大阪ではニッポンバシ)の電気屋街までノートパソコンを買いに行ってきました。用途は近所の大学図書館で原稿を執筆するためと、下のリビングからオルゴールの演奏をいろいろな方々に聴いてもらうためです。

予算は3万円とドケチ! 条件はWindows10、SSD、小型軽量、できれば汚れていない。バッテリーの残寿命は予測できないようです。2軒中古パソコン専門店をまわりました、歳なので歩き回るのは疲れます。結局2軒目の小さなショップで東芝のダイナブックR63/Dにしました。バッテリー込みで1150グラムと重い。残念なことにメイドインチャイナ、壊れると困るんですがぁ。さすがは中古品、電源ケーブル以外の説明書、リカバリー用DVD、オマケソフト、外箱等は一切なしで写真のように素っ気無い。34,800円と少し予算オーバー。オフィスソフトはキングソフトのような安い贋物をインストールする予定。

ソニーの無料ソフトをダウンロードして、手持ちのミラーレスカメラをウエブカメラとして使うために導入しました。メーカーのサイトによると可能って書いてあるのですが、実際に画像と音声が配信てきて先方で受信できたことを確認するまで私は疑り深い。私はスマホを持っていないので、歩きながらの放送は考えていません。

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  戦いに敗れました。 その2
Date: 2021-01-30 (Sat)
少し間隔が空きましたが負け戦の続きです。珍しいニューセンチュリーの8000シリーズがオークションに出ていました。ニューセンチュリーはアメリカで操業していた後発のディスク・オルゴール・メーカーであるシンフォニオン・マニュファクチュアリング社が製造していたディスク・オルゴールのブランドです。社名からわかるようにドイツのシンフォニオン社のアメリカ法人でした。その華やかな音質と編曲で知られています。

ニューセンチュリーの代表的な機種8000シリーズは写真でみられるように独特の櫛歯を備えていました。左側の櫛歯が右側の櫛歯(156ノート X 2=312本)と協和音になるように調律されており、より豊かで156ノートの櫛歯の倍の音量があるとされました。ニューセンチュリーの左側櫛歯は低音側の端から1/3ぐらいのところまではサブライム・ハーモニー調律で、その先の中域から高域にかけて全ての櫛歯に鉛のチューニング・ウエイトが取り付けられています。この櫛歯の調律はダブル・デュプレックス・マンドリン・トレモロ・オクタボ ( Double Duplex Mandoline Tremolo Octavo )と呼ばれ、エクスプレッション( Expression )というディスクを使用するものです。つまり中音域から高音域に掛けて1オクターブ低く調律されているのです。このような調律はニューセンチュリー独特のもので、心地よい輝かしい音で演奏できます。このディスクは極端に背の低いプロジェクションが極めて密(1枚に312本トラック)に打ち込まれており、リプロダクション・ディスクの製造は困難(一社は失敗)を極めます。リカットに成功していた工房も高齢で生産をやめています。いろいろなオルゴールを聞き飽きたようなマニア連中でも振り返るほどの、素晴らしい音を聞かせてくれました。

Youtubeの録音はノイズだらけ、録画はブランコの船酔いビデオなのが残念。ニューセンチュリーが販売されていたのは1年半ほどの短期間で、高級品の8000シリーズは販売量もごく僅か、今となっては入手がとてもむつかしい。
https://www.youtube.com/watch?v=8Ekv_l3_M04

普通のニューセンチュリーと同じスタート価格だったので、5000ドルまでは戦うつもりでした。しかし見る人は見ているもので1200ドルスタートでしたが最終的には8000ドルで落札、負けました。勝てばこのmixiで素晴らしく華やかな音を披露できたのですがぁ。

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  戦いに敗れました。 その1
Date: 2021-01-24 (Sun)
アンティークのシリンダー・オルゴールが好きなマニアにとって、憧れの的であるニコル・フレール社製グランフォーマット・オーヴァ−チュアがオークションに出ていました。太いシリンダー、夥しいピン、眼が痛くなるような細い櫛歯に注目してください。

ケースのサイズは24x64x32pでグランフォーマットとしてはやや小振り、重量は30s近くあると思います。木目のきれいなケースには、真鍮の薄板を切り取って作った凝った幾何学模様の装飾が象嵌されております。オペラの一節ばかりが4曲収録されており、一曲一曲にニコル・フレール社の威信をかけた素晴らしい編曲がなされていると思います。製造番号は46587で文献によれば1875年頃の製造です。ニコル・フレール社は代表者の健康悪化に伴い1881年にオルゴールの生産をやめて、ペイラード社からのOEMに切り換えてしまいます。ニコル・フレール社のオルゴールは製造番号が2万番台の初期製品が特に優れていると言われていますが、グランフォーマットはいつの時代のものでも素晴らしいものです。この個体の裏側に張り付けられているチューン・シート(曲目カード)は紙でなく、銀の厚板にビュラン(鑿)で曲名と作曲者を彫刻しています。

当初の落札予想価格はUS$1200〜1500なんて言う安値がついていました。さては出品者がオルゴールのことを全く知らないのだと思い、早速$2600でビッド。今朝の早朝4時頃のオークションをウェブ経由で眺めていました。私としては$5000まで戦うつもりでしたが、締め切り直前の争いで落札価格は瞬く間に急上昇、US$11,000+バイヤ−ズプレミアム26%で約150万円となりました。完敗です。

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  オルガンの演奏会
Date: 2020-12-19 (Sat)
今晩は隣町の伊丹市立サンシティホールで開催されたクリスマスコンサートを家内と一緒に聞いてきました。ここに設置されてるベルギーのシューマッハ社1993年製オルガンは鍵盤3セット、29ストップで1696本のパイプを備えています。

中身のパイプオルガンは阪神大震災でひどく破損したようです。震災直後に行ったときは歪んだ太くて長い鉛のパイプが何本か床に転がっていました。何年かすると修理が終わったのか演奏会が再開されていました。

今日行ってオルガンを眺めてみてびっくり。写真のように右端から2番目のパイプの根元が座屈して歌口がふさがれていました、これでは鳴らない。近くのパイプの表面はベコベコ。曲がっているのかパイプとパイプの間隔が広くなったり狭くなったり。歌口の高さがそろっていない。表面から見えるパイプでもこんな有様なので、ケースの中はどうなっているんでしょう。もし完璧に修理をするとなると、かなりの数のパイプを取り替えねばなりません。おそらく数千万円の費用がかかることでしょう。定期メンテナンスの費用も嵩み、伊丹市としてはこの厄介者のパイプオルガンをどう処遇すべきか悩んでいると聞きました。来年のクリスマス演奏会は開催されないようです。

最後のクリスマス演奏会とのことなので、讃美歌とオルガンのコーラスとかバッハやブクステフーデなどの正統的演奏を聞かせてほしかったのですが、日本民謡とか最近のミュージカル作品のような曲ばっかりで残念でした。どうもオルガンの故障がひどくて、バッハを思う存分弾きこなすには破損して鳴らないストップが多すぎたのかも。最後つけたり?で聴衆と一緒にコーラス(ちなみに聴衆の皆さんはとても美声)した「聖しこの夜」が最も聞き応えがありました。

今このパイプオルガンは鳴らないオブジェとして鎮座するだけなのか、解体廃棄かの岐路に立っていると思われます。スイスのザンクトガレンには1400年ごろに作られて、今なお演奏可能なオルガンがあります。作られてから30年にも満たないオルガンなのに本当に可哀想で残念なことです。

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  日本オルゴール愛好会秋季大会 1
Date: 2020-12-16 (Wed)
とてもとても古い話で恐縮ですが、去る11/28〜29の日程で私が所属しているオルゴールの愛好家団体「日本オルゴール愛好会」の秋季大会が山梨県北杜市清里にある萌木の村株式会社のオルゴール博物館の地階にあるスタジオ・ネッタで開催されました。

退屈な会計報告や議事はさておき、オルゴールと関連書籍のオークションが開催されました。今回は私が世話役、なにしろ初めての経験なので愛嬌というか失敗や不手際のオンパレード! 迷惑をかけた皆さんには本当にごめんなさい。

出品されたオルゴールの中の白眉は写真の中央にある大きなサブライム・ハーモニー・オルゴール。収録されていたのはもう上演されることも無くなった時代遅れのオペラの一節ですが、その力強い音とすばらしい編曲はとても印象深いものでした。ただ、とても重い、一人では持ち上げることもままならない。私も喉から手が出るほど欲しかったのですが、世話役が品物に手を出すのは道徳的にいかがなものかと思い遠慮しました。
    http://kodemari.net/recitalidx.html/../mp3/Lot-1SHall.mp3

リードオルガンを組み込んだボワ・セレステ・オルゴールも出ていました。この個体はオルガンを鳴らすフイゴ(鞴)が完全に機能していて、オルガンがメロディーラインを受け持つという後期のボワ・セレステの特徴がよく現れていました。
    http://kodemari.net/recitalidx.html/../mp3/Lot-2VCall.mp3

出品されていたものはすべて完売、オークションとしては成功といえるでしょう。

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  ご近所のオーディオ・システム
Date: 2020-11-23 (Mon)
近所にお住まいのオーディオマニアの方を招いてオルゴールの演奏会をやりました。手許に在る全てのオルゴールを総動員、とても喜んでもらえました。その答礼と言うわけで彼が一生懸命育ててきたオーディオ・システムを聞かせてもらうことになりました。

彼のオーディオ・ルームは以前に高名な画伯さんがアトリエとして使っていた20畳くらいの広い部屋で、天井高が6メートル以上もある2階建相当の吹き抜けです。吟味した床材、3重の遮音壁で音楽を聴くにはベストな部屋でしょう。部屋の北側に1920年頃に作られたスタインウエイ製骨董品のグランドピアノが置かれていました。

グランドピアノの左右に背の高い(2.5メートルぐらい)アルテックの大型スピーカー(中低音担当)とホーンシステム(高音担当)が設置されていました。左手前に背の高い大きなアンプラックが在り、アンプやプレーヤーが20台ほど並んでいました。今日はマランツの真空管アンプとFETアンプを聞かせてくれました。最下段のマッキントッシュの真空管アンプは音がお気に召さないそうです。

そのアルテック・スピーカーはいかなるジャンルの音楽でも原音を出来るだけ忠実に再生することを目標に彼が調整したもので、CDの録音に欠点が有ってもそれを隠すことなく、忠実に出してしまうそうです。高音が饒舌と言ってもいいぐらい豊かに出ていて、指揮者がオーケストラを振っている時は、あんな音を聴いているのでしょう。私が持参したプロプリウスのカンタータ・ドミノには、こんな音も入っていたのかと耳からウロコでした。

私が30年以上愛用しているタンノイのアーデンというスピーカーは、居心地の良いリビングルームで、紅茶とスコーンを楽しみながらクラシック音楽を優雅に楽しむために作られた家庭用のスピーカーで、録音の欠点を上手く隠して、聴いていて眠くなってくるような音楽に替えてしまう特性があるようです。ジャズやロックの再生は苦手。

どうもわたしの耳は30年以上かけてタンノイ色に染め上げられていたようです。アルテックの鮮烈な音は強烈な刺激でした。彼が良く聴くのはバッハのオルガン音楽やオペラ等ですが、ジャズ、イタリアや日本の演歌!などいろいろなジャンルの音楽も聴かせてもらいました。タンノイ・オートグラフ、ノーチラス、アルテック等のスピーカー遍歴と批評も面白かった。私があこがれていたコンデンサー・スピーカーは日本の酷い湿気のために、内部で落雷を起こして直ぐにダメになってしまうと、けちょんけちょんでした。JBLは話題に昇りませんでした。

カメラを持参しなかったのはとても心残りです。次の機会には是非。

  オークションカタログの付録CD
Date: 2020-11-21 (Sat)
11/28〜29に開催される日本オルゴール愛好会秋季大会の席でオークションを企画しています。ここ2〜3日はカタログ作りで大変でした。

オルゴールは音が命、音を聴いてもらわないとオークションに入札してもらえません。そこで今回のオークションではCDを付録としてカタログに添付することになりました。

問題1 インターチェンジアブル・シリンダー・オルゴールが不調、演奏していると半分ぐらいの所で速度が落ちて停まってしまいました。是非カタログと一緒に聴いてもらいたく、阿部工房さんで11/17〜18に徹夜で修理をしてもらいました。11/18午後にオルゴールを引取り、夜中の12時から録音と編集。

問題2 Win7パソコンもWin10パソコンも光学ドライブが故障、安いポータブル光学ドライブを買ってきて、Win7パソコンにつないでCDを作ると、CDプレーヤーでは再生失敗。多分ハードディスクのプログラム領域が経年劣化したためでしょう。Win7を再インストールする時間的余裕はない。ポータブル光学ドライブをWin10パソコンにつないでCDを作ると、CDプレーヤーでも再生成功しましたが書き込み速度がとても遅い。仕方が無いのでデスクトップ用の光学ドライブを買ってきて、Win10パソコンのドライブを交換。

11/19の午前2時頃からCDをWin10パソコンで60枚作りました。11/19の9時から隣町のコピー屋さんでカタログのコピー(13ページ×60部)を行い、準備していた封筒へ入れて完成したのは11時頃でした。直ぐに関学前郵便局に持ち込み発送、郵便局の話だと関東地方では土曜日の午前中に配達になるそうです。

もう歳なので大都会を4時間も運転した後で、徹夜の作業はきついです。

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  阿部工房さん訪問
Date: 2020-11-09 (Mon)
秋の大会でオークションに掛ける予定のインターチェンジアブル・シリンダー・オルゴールが不調になりました。現象は1曲の途中で演奏速度が遅くなり停まってしまうのです。他人から預っているオルゴールなのでシロートの私が手出しすることにはためらいが有ります。そこで阿部工房さんまで運搬して修理依頼、今回は居眠り運転の監視の為に家内が助手席に乗ってくれました。

阿部工房さんに到着すると、工房内には完成したポリフォンの24インチ ミカド、22インチ ベル付きが出荷待ちでした。ステラの26インチが修理の為に到着したところでした。ステラのメカニズムはとても複雑で興味深い物が有ります。オーナーの方の親切な意向で、修理過程の写真と記録を残して、我がミュージカル・ボックス誌に掲載することを許可してくれました。

写真は梱包を開いたところ、オーナーの方は不動産業を営んでいて、知り合いの大工さんに専用の運搬ケースを作ってもらったそうです。櫛歯は数本折れています、ステラの櫛歯は複雑な先端形状をしているので、別のステラのスクラップとなった櫛歯を切り取って半田付けする工法を採ることでしょう。櫛歯の様な格好をした棒の先端に回転するスター・ホイールが組み付けられています。こんな複雑な構造のスター・ホイールはステラだけです。

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  チューン・セレクター
Date: 2020-10-16 (Fri)
今、我が家でオークションに出品するために預っているオルゴールが数台有ります。その中で興味深い機構を持ったものが在りますので紹介しましょう。

普通のシリンダー・オルゴールのシリンダーには4〜8曲がピンの列となって記録されています。演奏している曲目が次の曲目に替わる時は、シリンダーがほんの少し左へ動いて、次のピンの列で櫛歯を弾いて次の曲を演奏するようになっています。最後の曲を演奏したらコンップレッション・スプリングがシリンダーを1曲目の位置(右端)まで押し戻しますが、このときに結構大きな衝撃音がします。一般的なシリンダー・オルゴールでは曲目を自由に選ぶことはできません、3番目を演奏したら次は4番目を演奏するようになっています。つまり1番目のピンの列を演奏している場合、6番目の曲を聴きたくても5番目の演奏が終った後でしか聴くことはできません。

任意の曲を直ちに聴くために開発された機構はチューン・セレクター(tune selector)又はチューン・スキッパー(tune skipper)と呼ばれます。但し曲目の選択はシリンダーの回転が停止している時しかできません。

いくつかの方式がありましたが、ここではメルモード社製のインターチェンジアブル・シリンダー・オルゴールでの操作方法(写真3をご覧ください)を述べます。

@ シリンダーを右方向に停まるまで押す。
A シリンダーを右方向に押したままで、チューン・セレクターのノブを左右に回す。
B 希望の曲の番号がSTÜCKの丸い窓に出るまでチューン・セレクターのノブを回す。
C 希望する曲の番号がSTÜCKの丸い窓に出たら静かにシリンダーを押していた手を離して、スタートレバーを操作して演奏を始める。

この個体はドイツ市場向けのようで、操作パネルの表示が全てドイツ語でした。

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  安物の封筒
Date: 2020-10-15 (Thu)
日本オルゴール愛好会の機関誌「ミュージカル・ボックス」第5号を郵送したのですが、一部(or 大部分?)の方には、写真の様に封筒が裂けた状態で配達されたようです。中身が丸見え。もろい中国品質のA4判用封筒に、厚くて一回り小さいB5判の冊子を封入したのが良くなかったようです。封筒内で厚い雑誌が暴れて封筒が破れたのでしょう。

やはり安いものは郵送に耐えない、それなりの品質でした。経費節減の鬼と化した私が、中国製(多分)の封筒に手を出したのがまずかったようです。これからは残っている中国製封筒(300枚ほど)はミュージカル・ボックやス誌1部だけか、書類だけを送る時に使用することとします。12月に発行予定のミュージカル・ボックス誌では、B5判の大きさの国産封筒を使用しましょう、もうこりごりです。

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  ミュージカル・ボックス誌第5号
Date: 2020-10-12 (Mon)
我が日本オルゴール愛好会の機関誌「ミュージカル・ボックス」の第5号の印刷が終わり、11日の日曜日に届きました! 昨日までに封筒、秋の年次総会のパンフレットを準備し、昨日の内に機関誌を同封、本日発送となりました。 

2020年度年次総会のプログラム、ホテルと会場の手配、工房見学の依頼等編集以外の業務の負担が大きくて、編集作業は遅れ気味。9/30発送目標でしたが、とうとう10/12発送になってしまいました。

今回の私が執筆した記事は、阿部さんの工房で修理を行ったパーフェクションという珍しいブランドのディスク・オルゴールの修理記録です。彼の修理メモと写真、インタビューを元に私がゴーストライタ−を勤めました。パーフェクションはとても珍しいメーカーだったので、世界的に見てもこれほど詳細な記事(全部で21ページ)はどこにもないと思います。

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  メーリングリストへ初めて投稿
Date: 2020-08-07 (Fri)
私が所属しているオルゴールの愛好家団体「日本オルゴール愛好会」の会員用メーリングリストに初めて投稿してみました。

愛好会:38 SS001 初めての投稿 2020/8/6 10:26
 
私は時々オルゴールを持参して演奏会を行うことが有ります。幼稚園、学校、病院、教会、少年院、老人福祉施設などなど、その中でも視覚障害者の施設に行った時はとても歓迎されました。 15年以上前の話ですが、近所にお住まいの盲人の方にアンティーク・オルゴールを私の説明つきで聴いてもらったことが有ります。とても喜んでもらったのですが、当時私が所属していたオルゴールのクラブへ招待することはできませんでした。発行していた機関誌を点字(膨大な量になります)で提供できなかったからです。

 最近の技術では下記のような機器で、指で指示した部分(書籍、看板、機器の表示、時計、現金等)を読み上げてくれる軽量コンパクトな装置が販売されていますが高価です。
  http://kodemari.net/img3/p690

 最近のパソコンやソフトの進化を見ていると、「これなら音声とマウスだけで盲人の方に安価に雑誌を提供できるのではないか」と思うようになりました。ソフトの開発にはかなりの資金が必要ですが、これもクラウド・ファンディングという手法で、沢山の方から寄付を募ることが以前と比べて容易になってきました。

 そのような情勢を踏まえて、下記のようなソフトを開発しようと思っております。マウス操作は画面のポインターとは無関係でクリック操作(右と左のシングルクリックとダブルクリックだけです。
読者側の操作
1. コルタナ経由で読書開始の命令
パソコンより書籍選択要求
2. 書籍をコルタナやマウスで選択
パソコンより目次、しおりの読上げ
3. 目次又は開始ページ、しおりをコルタナやマウスで選択
パソコンより本文の読上げ
4. 専門用語が出てきたらマウスかコルタナ経由で読上げ停止と辞書検索要求
パソコンより該当する用語解説を辞書より読上げ、
5. もう一度マウスをクリックすると本文読上げに戻る
6. コルタナやマウス経由で一時停止と、しおりの挿入要求

編集者側の操作
1. テキストを読上げて左チャンネルにmp3データとして保存。
2. 専門用語が出てきたときは右チャンネルに辞書を参照するためのキーを記録

 下記のような本で色々と調査していますが、盲人の方や盲人のお世話をしている方のご意見を聞いて、使いやすいソフトの仕様書を書こうと思います。ソフトの開発は専門のソフトハウスにお願いするつもりです。
「初めての音訳」 http://kodemari.net/img3/p688

これは私にとって最初の会員用メーリングリストへの投稿です。「気軽に投稿を」との言葉を信じて、出来るかどうかわからないが、モヤモヤと思い描いている妄想を文字にしてみました。これは日本オルゴール愛好会の規則前文「老いも若いも、豊かな方もそうでない方も、語学の得意な方もそうでない方も、等しく共にオルゴールを楽しみたい」に資するものと信じております。きちんとしてレポートは会報誌ミュージカル・ボックスに掲載する予定ですが、中間報告や失敗報告、インタビュー等も混在した状態で気楽に載せてまいります。日本オルゴール愛好会会員の皆様の親切絶大なるご支援をよろしくお願いします。

  視覚障害者を迎えたい 01
Date: 2020-07-09 (Thu)
私はオルゴールのクラブの運営をお手伝いしています。視覚障害の方をクラブにお迎えしたいというプロジェクトを、個人で勝手に始めました。むろん今は最初のステージで、フュージビリティ・スタディと言うヤツです。

最初にやったのは参考書籍の購入、「初めての音訳」(写真1)http://kodemari.net/img3/p688 です。点字は若いころから目が不自由で、早くから点字を学んでいないと身につかないようです。病気や事故などで大人になってから視力を失った人は、音声による情報に頼りがちのようです。お金がかからない方法を採りたいので、点字ではなくてパソコンと親和性が高てく配布に便利な音声(CDとPC)を使うのが良いのではないかと思いました。スエーデンで開発されたデイジーDAISYシステムが盲人の為の音声読書システムとして既に日本でも普及しています。

その本を読みながらあちこちのサイトをチェックしていたら、私が実現したいと思っていた機械に近いデイジーシステムによるプレクストーク(写真2)http://kodemari.net/img3/p689が既に市販されていました。しかし弱点を見つけました。オルゴールの様なマニアックな世界の記事には、解説書が発刊されていない専門用語がドッサリ使われています。知らない専門用語が出てきたときは、マウス等をクリックすると記事の読み上げが停まり、コルタナ経由で直前に出てきた専門用語の解説を辞書の中から読み上げて欲しいものです。

ライバルも見つかりました、写真3http://kodemari.net/img3/p690 のオーカム マイアイ2です。手持ちのメガネのツルに磁石で取り付けて使うもので、機械の前面にカメラ、耳に近い所にスピーカーが付いています。読みたい文字列(文書、駅の時刻表、機械の操作パネル等)の方向を向いてカメラの画角に入るように指で読みたい文字を指示すると、読み上げた音声が耳に届くという仕組みです。しかしこれも分からない専門用語が出てきたらどうすればいいのでしょうか。英語だと文字のシステムが単純なのですが、日本語だとひらかな、カタカナ、漢字、数字、英語やフランス語、ドイツ語が交互に登場するので、誤りなく読み上げてくれるとは思えませんし、お値段が〜ぁ!! やはり最初に考えていた辞書参照システムを開発しないといけないようです。
    https://www.youtube.com/watch?v=wsU2QLXKfUo

調べてみると色々と問題が出てくるもんです、今度は点字図書館などに行って聴いてみましょう。

  巻上ハンドル
Date: 2020-06-03 (Wed)
今日の夕方、とっても喜ばしいことが有りましてね、葡萄のカルピスソ−ダで乾杯をしました。今ウチで預ってオルゴールの中で一番重いヤツ(1883年スイスのパイラード社製 写真1)ですが、引き取る際の梱包のどさくさでゼンマイの巻上ハンドルをマンションに忘れてきたと思っていました。仕方が無いので堺に在る知り合いの工房で、ハンドルを新たに作ってもらうことになりました。

明日、堺の工房まで運ぶために家内と一緒に、と〜っても重いオルゴールをマイカー(26年前のカローラのステーションワゴン)の後部に運び込みました。リアゲートから押しこんだんですが動かない。そこでオルゴールを傾けたら中からゴトンゴトンと音がぁ! 私の手は大きくてベッドプレートの下に手を入れることが出来ない。家内の小さな手だとOK。取りだしたら探していたオリジナル(じゃなくて後世の追加? ハンドルを置くと蓋が閉まらない)のラチェット付き巻上ハンドル(写真)でしたぁ! バンザイ三唱。

大事にし過ぎてオルゴールを全く揺らさずに運んだので、巻上ハンドルがムーブメントの下に落ちているのに気がつかなかったのでしょう。

早速オルゴールを車からリビングへ戻して、ゼンマイを巻き上げてから演奏。もう諦めていた後の発見はとても嬉しいもので、乾杯の後でしみじみと聴くサブライム・ハーモニーの音は思っていたよりも良い音に聴こえました。でも腰がぁ〜〜。熱い風呂にゆっくりと入って、患部を温めて膏薬をぺたぺたと貼って良く寝て、明日のお昼ごろに堺の工房まで別の蓋が壊れたオルゴール等を運びましょう。

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  パーフェクションって完璧?
Date: 2020-05-30 (Sat)
かなり古い話ですが5月17日(日)に堺のオルゴール工房まで預ったオルゴールを引き取りに行ってきました。いつもの事ですが、工房の中を見渡していると、とても珍しいパーーフェクションというブランドのテーブルトップ型ディスク・オルゴールを見つけました。

オルゴールには一度弾いた櫛歯を、次に弾く前に今の振動を消してしまうダンパーと言う重要な部品が有ります。シリンダー・オルゴールだと細いワイヤー、ディスク・オルゴールだとメーカー毎に異なる形態の薄い真鍮板を打ち抜いて作られたダンパーが櫛歯の数だけダンパー・レイルと言う部品に半田で立てられています。

所がパーフェクションはコスト削減のためか、スター・ホイールの間に打ち抜いたフェルトをダンパーとして挟んでいます。櫛歯を弾いて鳴らすたびにスター・ホイールがフェルト製のダンパーに当たって振動を抑制させるという無理な仕組となっています。当然ダンパーの寿命は短く超不人気で、全くマーケット的には失敗だったようで、残存数も極めて少数です。普通のポリフォン製ディスク・オルゴールと比べて音の違いは感じませんでした。写真の青色のフェルトはダンパーです。

パーフェクションの訳は「完璧」ですが、悪い冗談でしょうか? こんな大珍品の失敗作が日本に輸入され、見て聞いて触れて撮れるとは不思議なことです。修理に手を焼いている技術者が気の毒でした。

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  東京へ行ってきました 5
Date: 2020-05-29 (Fri)
これが古い話の最後です。現代のオルゴール作品も預っております。

写真はリュージュ製144弁カーテルボックス、現行商品でかなり高価です。傷一つないケースにピカピカのムーブメントが組込まれています。作られてから時間が経過していないので、櫛歯の調律はきわめて正確なままです。しかし線が細い演奏と言う印象を感じてしまうのは私だけでしょうか。造られてから100年以上が経過して、ドスの効いた音の方が魅力を感じてしまいます。
次はオートマタ付きポケットウォッチ、馬が首を上下して水を飲んでいる状態を表現しています。若い女性が井戸のポンプを上下させ、出てくる水の流れがガラスの棒が回転で表現されています。

そして最もありふれた家庭用ディスク・オルゴールであるレジーナ社製15.5インチのテーブルトップ型です。最初にアンティーク・オルゴールを買われる方には、沢山のディスクが入手でき、修理技術者も手慣れているこの型のオルゴールをお勧めします。

その他にペンダントになっている超小型オルゴール、大きな縦型の箱に入ったオルガニート20(ムーブメントは破損)、参考書籍やCD、ビデオテ−プ、パンフレット等も預りました

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  東京へ行ってきました 4
Date: 2020-05-28 (Thu)
古い話の続きです。沢山のオルゴールを工房に預けてきたんですが、やはり邪魔になるのではと忖度して、5/17(日)に堺の工房までオルゴールを引取りに行ってきました。主なオルゴールは次の3台です。今年の秋の大会で開催する予定のオークションまでウチで、預ることになりました。リビングはオルゴールで溢れかえっています。

写真の@のボワセレステ(小さなリードオルガン付きのオルゴール)、10曲も組み込まれているのはちと残念、もし4曲入りの中身の濃いオルゴールだったら魅力だったのですが。鞴(フイゴ)は珍しく健全で、櫛歯の伴奏を圧する大きなボリュームで演奏してくれます。

写真のAのサブライム・ハーモニー、櫛歯が3枚に分かれていて、凝った編曲が楽しめます。めっちゃ重い! 今回の中で一番欲しいオルゴールなのですが、私がオークションのスタート価格を設定したので、道義的に手を出すわけにはいけません。残念なことにゼンマイの巻上ハンドルを忘れてきました(探索依頼中)。ゼンマイの力はほとんど残っていないと思うので、もう演奏させるわけにはいきません。オルゴールが途中で停まると櫛歯を持ち上げたままになって、ショックが有れば櫛歯を折ってしまいます。

写真のBのインターチェンジアブル・シリンダー・オルゴール(シリンダー交換式)で、シリンダーがスペア共で4本付属しています。このオルゴールの蓋を取り付ける蝶番の一つが破損していて、蓋をあけて演奏することは危険です。

その内、録音をここでも公表するつもりで、準備中です。

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  東京へ行ってきました 3
Date: 2020-05-26 (Tue)
15日は藤沢から堺の工房までオルゴールを満載のハイエースで帰ってきました。14日に江戸川区で大型のアップライト型オルゴール(ミカド)とビン、15インチのディスク・オルゴール、大きなシリンダー・オルゴールを数台、書類多数を積込。次に立川市で大型のアップライト型オルゴール(ベル付きポリフォン)を積込、全部で300キロぐらいかな?

夕方にやっと堺の工房へ到着、積んできたすべてのオルゴール等を荷降ろし、めっちゃ重かった。レンタカーのハイエースを返却。へとへとで電車で帰宅。

写真は満載状態のハイエース。

http://kodemari.net/img3/p683


  東京へ行ってきました 2
Date: 2020-05-26 (Tue)
古い話の続きで恐縮です。

5/14の最後の訪問先は藤沢のコレクターの御宅でした。オルゴールが多すぎてマンションの一家族分がコレクションルームになっていました。エロイカ、ポリフォンのミカド、104、15インチのテーブルトップ、無数のシンギングバードケージとバードボックス、沢山のシリンダー・オルゴール、そして驚くことにミルズ・ノヴェルティー社のヴィオラノ・ヴァ−チュオーソが2台も置かれていました。引きが少なかったので全体の写真を取ることができませんでしたが、とっても大きな四角くて重いケースに収められた自動バイオリン演奏機です。2台とも不調のようで、一緒に行った技術者の工房で大掛かりな修理をすることになりました。大変重い楽器なので、運搬にはクレーンが必要、ピアノ運送専門家の出番です。

写真は弓に相当するマイカ(雲母)の円盤部分。

http://kodemari.net/img3/p682


  東京へ行ってきました 1
Date: 2020-05-24 (Sun)
随分前の話で恐縮ですが、5/13(水)〜15(金)の日程で東京までお上りさんやってきました。トヨタのハイエースと言うでっかい箱バンのレンタカーです。こんな長くて大きな車を運転したことが無いので心配でしたが、往復とも同行してくれた方が運転。

途中で明るい富士山を十分に眺めることができました。東名高速道路も首都高も新型コロナのせいでガラガラで渋滞無し。

両国の国技館の向かいに在るホテルに泊まりましたが、前の道路には車がほとんどいない。周辺のレストランはどこも19時ラストオーダー。運転ご苦労様の慰労会を予定してたんですが、コンビニの缶ビールと袋に入ったおかきをホテルの部屋で寂しく飲んでもらうことになりました。

http://kodemari.net/img3/p681


  悔しいボワ・セレステ
Date: 2020-04-27 (Mon)
またまたボワ・セレステの続きです、しつこいですね〜。写真1( http://kodemari.net/img3/p678 )と2( http://kodemari.net/img3/p679 )は昨夜のオークションで負けたボワ・セレステです、悔しい。この個体はオルガン・セクションが左端に置かれている珍しい初期型で、この時代ではオルガンが櫛歯の伴奏をしていました。オルガン・セクションが中央に置かれている後期型ではオルガンが主旋律で櫛歯は伴奏でした。落札価格はUS$800+24.5%≒110,000円、航空運賃や消費税と点検修理費をプラスすると300,000円程度になります。

色々なボワ・セレステがオークションに出品されていますが、2000年4月1日にイギリスのオークションハウスであるスキンナーに出品された写真3の超大型ルクルト製のボワ・セレステを紹介しましょう。写真を一見すると普通のシリンダー・オルゴールを思わせるプロポーションです。しかしこのケースは巨大で幅が57インチ≒145pも有ります。普通のボワ・セレステのケースは鞴(フイゴ)を収容するために、写真2に見られるように背が高い独特のプロポーションを持っています。ところがこの個体はケースが巨大なために、普通のプロポーションのケースでも鞴を収容できるのです。インターチェンジアブルのシリンダーは長さが26インチ≒66pも有ります。エスティメイトは6〜70,000ドル+バイヤーズプレミアム25%で840〜960万円と恐ろしく高価! 30年以上も市場をウォッチしてきましたが、この様に巨大なボワ・セレステは空前絶後です。

http://kodemari.net/img3/p680


  しつこくボワ・セレステ
Date: 2020-04-26 (Sun)
リードオルガン(と言うよりもハーモニカ)が組込まれたオルゴールはボワ・セレステと呼ばれています。最近ウォッチしているオークションサイトで続けさまにボワ・セレステが出ています。でも登録ジャンルはオルゴールではなくてオルガンになっていました(これ盲点)。

写真1(Lot 0326 http://kodemari.net/img3/p675 )は60本の櫛歯と17音のオルガンが組込まれたもので12曲も入っていて中身の薄い音楽になっているかもしれません。ケースの幅は73cm、シリンダー長さは40.5p、残念ながらチューン・シートは後世のもののようで記述が全くありません。エスティメイトは2,000〜3,000ユーロ+バイヤーズプレミアム23.8%≒(32〜48万円)。下記で演奏を聴くことが出来ます。
https://www.youtube.com/watch?v=zqstp05iq8Y

写真2(Lot 0309 http://kodemari.net/img3/p676 )は54本の櫛歯と17音のオルガンが組込まれたもので8曲入りです。ムーブメントのサイズは上記とほぼ同じですが、修理が必要なので、エスティメイトは13〜24万円。これは狙い目ですね。

写真3( Lot 0312 http://kodemari.net/img3/p677 )は26本の櫛歯と17音のオルガンが組込まれたものですが、この様に小型のボワ・セレステは見たことが有りません。こんなに小さいのに8曲も入っていて、かなり無理をしているのではないでしょうか。ケースの幅は46cm、シリンダー長さは15pと驚くほど小さい、残念ながらチューン・シートは残されていません。メーカーはAmi Rivencで1895年頃の作品。不調のようでエスティメイトは6〜10万円と超弱気。珍品好みの博物館向けかな?

  ミュージカル・ボックス誌第3号
Date: 2020-04-25 (Sat)
とっても遅れていました・・・日本オルゴール愛好会の機関誌「ミュージカル・ボックス」誌第3号ができ上り、4/17にほとんどを発送。今日翻訳原稿の原書執筆者に送付案内を書いて月曜日に投函すれば3号の作業は全て終わりですぅ・・・やれやれ。奥付には3/31発行なんちゃって、ウソを書いてます。

同人雑誌等で原稿が集まらなくて or 編集部内の対立?等で3号まで出版したら、息切れして廃刊というパターンが見られるそうです。有りがたいことに我がミュージカル・ボックス誌は原稿が集まりすぎて、毎号予算オーバーで、クラブの財政が危機です。

私はイギリスのケヴィン氏の書物を少しずつ翻訳して載せる作業を担当しています。今回はF.G.オットー&サンズ社で作られていた、キャピタル・カフ・ボックスという変わったディスク・オルゴールを取り上げました。ディスク・オルゴールは音楽データを薄い鋼の円盤に突起や穴と言う型で記録しますが、カフ・ボックスは突起(音楽データ)打ち出した鋼板を丸めて袖(カフ)の様な円筒にして記録しています。オットー社はレジーナ社との特許紛争に敗れてしまい、その生産量はわずかでした。アンティークとしてカフ・ボックスを買ったとしても、カフを買い足すことは至難ですし、新たに編曲を依頼して新しいカフを作ること、ほぼ不可能でしょう。

http://kodemari.net/img3/p674


  ボワ・セレステ
Date: 2020-03-09 (Mon)
小型のリードオルガンを組み込んだボワ・セレステと言う興味深いフォーマットのオルゴールがオークションに出ています。鐘や太鼓を組み込んだ賑やかな演奏をするオーケストラ・ボックスは好きになれないのですが、オルガンだけを組み込んだボワ・セレステ・オルゴールは面白い動作と上品な音で楽しませてくれます。

このオルゴールのサイズは35.5x87.6x45.7pで、かなり大型。スタート価格はUS$250+バイヤーズ・プレミアム28%(≒35,000円)、エスティメイト(落札予定価格はUS$700+28%(≒100,000円)と笑う程の安価。多分オークション終了間際の30秒ほどで、もっともっと遥かに高くなることでしょう。

オークションの説明では状態が分かりません。オルガン・セクションが完全に失われている個体を見たことが有ります、まさかの恐怖。リード・オルガンを鳴らすための風を送りだす鞴(フイゴ)の折り目が破れていて、オルガンの音が弱い、もしくは全く聴き取れないかもしれません。この場合は専用のセーム革を切り取って鞴を張り替えねばなりません。

後期型のボワセレステの例で、中央に位置するオルガン・セクションが主たるメロディーを演奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=2-7tiOclFI0
https://youtu.be/2OgQHNh9dAo?t=109

ムーブメントの下部に納められている鞴等の動きが分かる動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=_8WUbUsn4WM

初期型のボワセレステで、左端に位置するオルガンセクションは伴奏部分を演奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=E9tyaye9WU4

http://kodemari.net/img3/p672


  ロホマンのツインディスク
Date: 2020-02-13 (Thu)
アメリカのオークションサイトを見ていたら素晴らしいディスク・オルゴールを見つけてしまいました。ロホマン社製172型チューブラーベル付きのツインディスク・オルゴールで、24インチ1/2のディスク2枚一組で演奏します。世界中で所在が分かっているのは4台のみ。1台はドイツの博物館、1台は我が町西宮に在る堀江オルゴール博物館、1台は福岡の骨董屋さんの在庫ですが地震で破損したようです。アメリカに在った1台はカールソン・カン氏が永らく愛蔵していました。

このオルゴールを最初に買った人は分かりませんが30年以上前にイギリスのノーフォーク・ポリフォンセンターというアンティーク・オルゴール専門の骨董屋さんで売られていて、価格は凡そ45,000ドル(当時の円高レートだと450万円ぐらいでしょうか)でした。オルゴールの背面左下に小さな四角いラベルが貼ってありますが、そのラベルにはノーフォーク・ポリフォンセンターとカルソン・カン氏の名前がタイプされています。

近所の堀江オルゴール博物館で何度か演奏を聴いてみた事がありますが、櫛歯の素晴らしく力強い大きな音と、バランスの取れたベル(金属性のパイプを並べたチューブラー・ベル)の華やかな音がずっと耳に残っています。地を這うような低音が展示室の床を震わせていました。私は今まで300台以上のディスク・オルゴールを聴きましたが、これは断トツの一位です。

カルソン・カン氏が亡くなってしばらくするとオークションに出され19,000ドル(約230万円)で落札されました。今回のスタート価格はたったの1万ドル(110万円程)でエスティメイトは2〜3万ドルと、とても弱気です。ケースが酷く破損していますが、修理すれば問題なし。櫛歯は健全。ディスクは12曲分で24枚付属。欲しいのは山々ですが72歳の老翁には手が出ません。

http://kodemari.net/img3/p671


  クリスマスイブ
Date: 2019-12-18 (Wed)
家内と一緒に宝塚市仁川の日本キリスト教団の喜音(キオン)伝道所(会員数が20名以下の教会)で行われたクリスマスイヴ礼拝に出席してきました。小さなビルの3階部分の半分ほどが喜音伝道所のスペースです。

会堂内部に入ると質素な祭壇と講壇、立派な電子オルガンが目に入ります。正面は基督生誕を描いたキルトのタペストリー。

式次第はクリスマスの、とてもシンプルなデザイン。本日読み上げる聖書の一節と歌う讃美歌が式次第に印刷されていて、重い聖書や賛美歌を持たずに出席できます。出席者は11名と少し寂しい。今夜は燭光礼拝(キャンドル・サービス)と言うことで礼拝堂の照明が消されて、各自が手に持った蝋燭(キャンドル)に点火して礼拝(サービス)が進められていきます。揺らめく蝋燭の光、荘厳なオルガンの演奏、女性信徒の素晴らしいメゾソプラノのコーラス。見せるため聴かせるための飾った演奏ではなくて、信仰を表すための音楽は娯楽の音楽とは隔絶した魅力を以って迫ってきます。

礼拝が終わってお茶とおしゃべりの時間、信徒の女性が持ってきて下さった鹿児島土産のかるかん饅頭を美味しく頂きました。

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  オルゴールによるクリスマス・コンサート
Date: 2019-12-7 (Sat)
近所の福祉施設「はんしん自立の家」(家から車で15分ほど)で、オルゴールを持ち込んでクリスマス演奏会をやりました。皆さん退屈しては申し訳ないので家じゅうの大小様々なオルゴールを動員。

会場は2階の広いホール、障害を持った方が多くて、ほとんどが車椅子。カメラは持って行ったけど、撮れませんでした。多くの人が障害のために表情筋を自由に動かせないし、手の指が曲がっていたり、車椅子だったり・・・。カメラを取り出せる雰囲気ではありませんでした。演奏会の最中でも大きな声をあげたり突然拍手をしたり。それでも、ほとんどの人が大人しく聴いてくれました。でも喜びが自然とこぼれている顔は、どれも素敵でした。目を逸らせるのはとても失礼と思っていたので、演奏中はいつも端から端まで視線を配って、全員の顔を順番に見ていました。1/3ぐらいの人が居眠りしてました、「気持ち良くなったから眠る」は自然な形で喜びが溢れていたんでしょう。私に気兼ねして必死で起きていようなんて思っていないのですね、喜びが嘘や偽りじゃなかったのが分かり、とても嬉しく思いました。

演奏会では時々聴いておられる方々の手をオルゴールに載せて振動を感じてもらっています。今回、手が動かせない人は足をオルゴールに載せてもらいましたが、見てびっくり。50歳くらいなのに病気か負傷か極端な運動不足のためか、履いている靴下はまるで小学生のサイズ。

クラシック音楽の好きな所長さんやスタッフの皆さんは当然大喜びでした。来年も呼んでもらえそう。春には別のところに在る学齢前の子供が入所している別の施設でも呼ばれそう。喜んで下さるのはとても嬉しいものです。入所者の方が共同で作ったクリスマス用の飾り付けをお土産にもらいました。重いオルゴールを持ちあげたので、昨日と今日は腰が痛いデス

http://kodemari.net/img3/p669


  デュアル・ディスプレイ
Date: 2019-12-18 (Wed)
ずっとずっとオルゴール関係でとても忙しい日々が続いております。設立総会が済むと会報誌「ミュージカル・ボックス」第2号の編集、印刷発注、発送をやっつけました。次は翌年度年次会費の徴収と2019年度の決算です。「ミュージカル・ボックス」第3号の翻訳原稿執筆もやらねば。次号の翻訳記事はオットー社が手がけたキャピタル・カフボックス、クライテリオン、オリンピア、クラウン、ユーフォニアを取り上げます。

いま手がけている作業は故人となった方のオルゴール・コレクション売却の御手伝いです。アメリカのオークションサイトには3000件以上の落札データ(オルゴールだけでも)が蓄積されています。売却の参考となる機種を右側ディスプレイで選んで、左側ディスプレイにリストアップしています。これがまた根気の要る作業で、ようやく130件ほどピックアップ出来ました。連続してやらないと能率が上がらないので、まとまった時間の有る時しかできません。

ウインドウズ10導入時にやろうと思っていたデュアル・ディスプレイを、能率向上のために今使用中のウインドウズ7でもやってみました。左側は以前から使っていた中古ディスプレイで発色が黄色っぽい、右は今年の8月に長男と一緒に買ってきた中古ディスプレイ9,698円也で発色が青っぽい。ディスプレイを支えているアームは新品で6,458円もしましたが、能率はぐんと向上。デュアル・ディスプレイが無い場合はノートパソコンとデスクトップ・パソコンを狭いデスクに並べて作業しないといけませんが到底無理です。ウインドウズ7でもこんなに安価(16,156円)で簡単にデュアル・ディスプレイが実現できるんだったら、もっと早く導入するべきでした。原稿の執筆と会報誌「ミュージカル・ボックス」の編集作業には必須のアイテムです。

http://kodemari.net/img3/p668


  久しぶりのコンサート
Date: 2019-11-22 (Fri)
今日の午後、兵庫芸術文化センターまでコンサートを聴きに行ってきました。演し物はショスタコーヴィチのチェロ協奏曲1番とマーラーの交響曲第1番「巨人」。舞台左袖からソプラノ登場!?・・・と思ったらやや太め、細いスラックスをお召しになった女性のコンサートマスターでした。指揮はとても若い中国人カーチュン・ウォン。聴衆は平日の昼間という時間帯のせいかお歳を召した女性ばっかり。

ショスタコーヴィチは現代音楽に近いもので、どうも理解不能。隣席のおばさん達は爆睡、私も眠気に耐えてましたぁ。演奏が始まってから2〜3分後に突然演奏がストップ。どうも一番大事なチェリストの絃が切れたみたい。舞台裏で必死で絃の張り替えをやってたんでしょう、5分ほどバツが悪い状態で日本語がまだ上手はない若手の指揮者も対応に困ってました。

聴いていておもしろかったのはマーラーの巨人、第2楽章は元気をくれる明るい曲想でした。そう言えば何かのコマーシャルで聞いた覚えが有りますが。今回は下記よりも速くて若々しい弾んだ演奏でした。ポピュラーな曲は何時も裏切りません。下記はクラウディオ・アバドの指揮で、第2楽章は16:31あたりからです。
     https://www.youtube.com/watch?v=L_fdk2Z7M2I 
第4楽章は打楽器が主役? シンバル、ティンパニとバスドラムが大活躍。バスドラムのピアニッシモはオーディオで再現するのがとても困難ですが、うちのオーディオセットはほんの少し高級なので、お客さんに微かなバスドラムの音が出てるのを聞かせて自慢してます。

チケットは優しい知人からから貰ったものなので、原稿執筆の隙間をぬって観賞してコメントを送らねばなりません。明日から図書館で翻訳原稿執筆ぐわんばるぅぞうぉ〜〜!

http://kodemari.net/img3/p667


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