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日々の出来事を徒然なるままに…


  チューン・セレクター
Date: 2020-10-16 (Fri)
今、我が家でオークションに出品するために預っているオルゴールが数台有ります。その中で興味深い機構を持ったものが在りますので紹介しましょう。

普通のシリンダー・オルゴールのシリンダーには4〜8曲がピンの列となって記録されています。演奏している曲目が次の曲目に替わる時は、シリンダーがほんの少し左へ動いて、次のピンの列で櫛歯を弾いて次の曲を演奏するようになっています。最後の曲を演奏したらコンップレッション・スプリングがシリンダーを1曲目の位置(右端)まで押し戻しますが、このときに結構大きな衝撃音がします。一般的なシリンダー・オルゴールでは曲目を自由に選ぶことはできません、3番目を演奏したら次は4番目を演奏するようになっています。つまり1番目のピンの列を演奏している場合、6番目の曲を聴きたくても5番目の演奏が終った後でしか聴くことはできません。

任意の曲を直ちに聴くために開発された機構はチューン・セレクター(tune selector)又はチューン・スキッパー(tune skipper)と呼ばれます。但し曲目の選択はシリンダーの回転が停止している時しかできません。

いくつかの方式がありましたが、ここではメルモード社製のインターチェンジアブル・シリンダー・オルゴールでの操作方法(写真3をご覧ください)を述べます。

@ シリンダーを右方向に停まるまで押す。
A シリンダーを右方向に押したままで、チューン・セレクターのノブを左右に回す。
B 希望の曲の番号がSTÜCKの丸い窓に出るまでチューン・セレクターのノブを回す。
C 希望する曲の番号がSTÜCKの丸い窓に出たら静かにシリンダーを押していた手を離して、スタートレバーを操作して演奏を始める。

この個体はドイツ市場向けのようで、操作パネルの表示が全てドイツ語でした。

http://kodemari.net/img3/p697


  安物の封筒
Date: 2020-10-15 (Thu)
日本オルゴール愛好会の機関誌「ミュージカル・ボックス」第5号を郵送したのですが、一部(or 大部分?)の方には、写真の様に封筒が裂けた状態で配達されたようです。中身が丸見え。もろい中国品質のA4判用封筒に、厚くて一回り小さいB5判の冊子を封入したのが良くなかったようです。封筒内で厚い雑誌が暴れて封筒が破れたのでしょう。

やはり安いものは郵送に耐えない、それなりの品質でした。経費節減の鬼と化した私が、中国製(多分)の封筒に手を出したのがまずかったようです。これからは残っている中国製封筒(300枚ほど)はミュージカル・ボックやス誌1部だけか、書類だけを送る時に使用することとします。12月に発行予定のミュージカル・ボックス誌では、B5判の大きさの国産封筒を使用しましょう、もうこりごりです。

http://kodemari.net/img3/p696


  ミュージカル・ボックス誌第5号
Date: 2020-10-12 (Mon)
我が日本オルゴール愛好会の機関誌「ミュージカル・ボックス」の第5号の印刷が終わり、11日の日曜日に届きました! 昨日までに封筒、秋の年次総会のパンフレットを準備し、昨日の内に機関誌を同封、本日発送となりました。 

2020年度年次総会のプログラム、ホテルと会場の手配、工房見学の依頼等編集以外の業務の負担が大きくて、編集作業は遅れ気味。9/30発送目標でしたが、とうとう10/12発送になってしまいました。

今回の私が執筆した記事は、阿部さんの工房で修理を行ったパーフェクションという珍しいブランドのディスク・オルゴールの修理記録です。彼の修理メモと写真、インタビューを元に私がゴーストライタ−を勤めました。パーフェクションはとても珍しいメーカーだったので、世界的に見てもこれほど詳細な記事(全部で21ページ)はどこにもないと思います。

http://kodemari.net/img3/p695


  メーリングリストへ初めて投稿
Date: 2020-08-07 (Fri)
私が所属しているオルゴールの愛好家団体「日本オルゴール愛好会」の会員用メーリングリストに初めて投稿してみました。

愛好会:38 SS001 初めての投稿 2020/8/6 10:26
 
私は時々オルゴールを持参して演奏会を行うことが有ります。幼稚園、学校、病院、教会、少年院、老人福祉施設などなど、その中でも視覚障害者の施設に行った時はとても歓迎されました。 15年以上前の話ですが、近所にお住まいの盲人の方にアンティーク・オルゴールを私の説明つきで聴いてもらったことが有ります。とても喜んでもらったのですが、当時私が所属していたオルゴールのクラブへ招待することはできませんでした。発行していた機関誌を点字(膨大な量になります)で提供できなかったからです。

 最近の技術では下記のような機器で、指で指示した部分(書籍、看板、機器の表示、時計、現金等)を読み上げてくれる軽量コンパクトな装置が販売されていますが高価です。
  http://kodemari.net/img3/p690

 最近のパソコンやソフトの進化を見ていると、「これなら音声とマウスだけで盲人の方に安価に雑誌を提供できるのではないか」と思うようになりました。ソフトの開発にはかなりの資金が必要ですが、これもクラウド・ファンディングという手法で、沢山の方から寄付を募ることが以前と比べて容易になってきました。

 そのような情勢を踏まえて、下記のようなソフトを開発しようと思っております。マウス操作は画面のポインターとは無関係でクリック操作(右と左のシングルクリックとダブルクリックだけです。
読者側の操作
1. コルタナ経由で読書開始の命令
パソコンより書籍選択要求
2. 書籍をコルタナやマウスで選択
パソコンより目次、しおりの読上げ
3. 目次又は開始ページ、しおりをコルタナやマウスで選択
パソコンより本文の読上げ
4. 専門用語が出てきたらマウスかコルタナ経由で読上げ停止と辞書検索要求
パソコンより該当する用語解説を辞書より読上げ、
5. もう一度マウスをクリックすると本文読上げに戻る
6. コルタナやマウス経由で一時停止と、しおりの挿入要求

編集者側の操作
1. テキストを読上げて左チャンネルにmp3データとして保存。
2. 専門用語が出てきたときは右チャンネルに辞書を参照するためのキーを記録

 下記のような本で色々と調査していますが、盲人の方や盲人のお世話をしている方のご意見を聞いて、使いやすいソフトの仕様書を書こうと思います。ソフトの開発は専門のソフトハウスにお願いするつもりです。
「初めての音訳」 http://kodemari.net/img3/p688

これは私にとって最初の会員用メーリングリストへの投稿です。「気軽に投稿を」との言葉を信じて、出来るかどうかわからないが、モヤモヤと思い描いている妄想を文字にしてみました。これは日本オルゴール愛好会の規則前文「老いも若いも、豊かな方もそうでない方も、語学の得意な方もそうでない方も、等しく共にオルゴールを楽しみたい」に資するものと信じております。きちんとしてレポートは会報誌ミュージカル・ボックスに掲載する予定ですが、中間報告や失敗報告、インタビュー等も混在した状態で気楽に載せてまいります。日本オルゴール愛好会会員の皆様の親切絶大なるご支援をよろしくお願いします。

  視覚障害者を迎えたい 01
Date: 2020-07-09 (Thu)
私はオルゴールのクラブの運営をお手伝いしています。視覚障害の方をクラブにお迎えしたいというプロジェクトを、個人で勝手に始めました。むろん今は最初のステージで、フュージビリティ・スタディと言うヤツです。

最初にやったのは参考書籍の購入、「初めての音訳」(写真1)http://kodemari.net/img3/p688 です。点字は若いころから目が不自由で、早くから点字を学んでいないと身につかないようです。病気や事故などで大人になってから視力を失った人は、音声による情報に頼りがちのようです。お金がかからない方法を採りたいので、点字ではなくてパソコンと親和性が高てく配布に便利な音声(CDとPC)を使うのが良いのではないかと思いました。スエーデンで開発されたデイジーDAISYシステムが盲人の為の音声読書システムとして既に日本でも普及しています。

その本を読みながらあちこちのサイトをチェックしていたら、私が実現したいと思っていた機械に近いデイジーシステムによるプレクストーク(写真2)http://kodemari.net/img3/p689が既に市販されていました。しかし弱点を見つけました。オルゴールの様なマニアックな世界の記事には、解説書が発刊されていない専門用語がドッサリ使われています。知らない専門用語が出てきたときは、マウス等をクリックすると記事の読み上げが停まり、コルタナ経由で直前に出てきた専門用語の解説を辞書の中から読み上げて欲しいものです。

ライバルも見つかりました、写真3http://kodemari.net/img3/p690 のオーカム マイアイ2です。手持ちのメガネのツルに磁石で取り付けて使うもので、機械の前面にカメラ、耳に近い所にスピーカーが付いています。読みたい文字列(文書、駅の時刻表、機械の操作パネル等)の方向を向いてカメラの画角に入るように指で読みたい文字を指示すると、読み上げた音声が耳に届くという仕組みです。しかしこれも分からない専門用語が出てきたらどうすればいいのでしょうか。英語だと文字のシステムが単純なのですが、日本語だとひらかな、カタカナ、漢字、数字、英語やフランス語、ドイツ語が交互に登場するので、誤りなく読み上げてくれるとは思えませんし、お値段が〜ぁ!! やはり最初に考えていた辞書参照システムを開発しないといけないようです。
    https://www.youtube.com/watch?v=wsU2QLXKfUo

調べてみると色々と問題が出てくるもんです、今度は点字図書館などに行って聴いてみましょう。

  巻上ハンドル
Date: 2020-06-03 (Wed)
今日の夕方、とっても喜ばしいことが有りましてね、葡萄のカルピスソ−ダで乾杯をしました。今ウチで預ってオルゴールの中で一番重いヤツ(1883年スイスのパイラード社製 写真1)ですが、引き取る際の梱包のどさくさでゼンマイの巻上ハンドルをマンションに忘れてきたと思っていました。仕方が無いので堺に在る知り合いの工房で、ハンドルを新たに作ってもらうことになりました。

明日、堺の工房まで運ぶために家内と一緒に、と〜っても重いオルゴールをマイカー(26年前のカローラのステーションワゴン)の後部に運び込みました。リアゲートから押しこんだんですが動かない。そこでオルゴールを傾けたら中からゴトンゴトンと音がぁ! 私の手は大きくてベッドプレートの下に手を入れることが出来ない。家内の小さな手だとOK。取りだしたら探していたオリジナル(じゃなくて後世の追加? ハンドルを置くと蓋が閉まらない)のラチェット付き巻上ハンドル(写真)でしたぁ! バンザイ三唱。

大事にし過ぎてオルゴールを全く揺らさずに運んだので、巻上ハンドルがムーブメントの下に落ちているのに気がつかなかったのでしょう。

早速オルゴールを車からリビングへ戻して、ゼンマイを巻き上げてから演奏。もう諦めていた後の発見はとても嬉しいもので、乾杯の後でしみじみと聴くサブライム・ハーモニーの音は思っていたよりも良い音に聴こえました。でも腰がぁ〜〜。熱い風呂にゆっくりと入って、患部を温めて膏薬をぺたぺたと貼って良く寝て、明日のお昼ごろに堺の工房まで別の蓋が壊れたオルゴール等を運びましょう。

http://kodemari.net/img3/p687


  パーフェクションって完璧?
Date: 2020-05-30 (Sat)
かなり古い話ですが5月17日(日)に堺のオルゴール工房まで預ったオルゴールを引き取りに行ってきました。いつもの事ですが、工房の中を見渡していると、とても珍しいパーーフェクションというブランドのテーブルトップ型ディスク・オルゴールを見つけました。

オルゴールには一度弾いた櫛歯を、次に弾く前に今の振動を消してしまうダンパーと言う重要な部品が有ります。シリンダー・オルゴールだと細いワイヤー、ディスク・オルゴールだとメーカー毎に異なる形態の薄い真鍮板を打ち抜いて作られたダンパーが櫛歯の数だけダンパー・レイルと言う部品に半田で立てられています。

所がパーフェクションはコスト削減のためか、スター・ホイールの間に打ち抜いたフェルトをダンパーとして挟んでいます。櫛歯を弾いて鳴らすたびにスター・ホイールがフェルト製のダンパーに当たって振動を抑制させるという無理な仕組となっています。当然ダンパーの寿命は短く超不人気で、全くマーケット的には失敗だったようで、残存数も極めて少数です。普通のポリフォン製ディスク・オルゴールと比べて音の違いは感じませんでした。写真の青色のフェルトはダンパーです。

パーフェクションの訳は「完璧」ですが、悪い冗談でしょうか? こんな大珍品の失敗作が日本に輸入され、見て聞いて触れて撮れるとは不思議なことです。修理に手を焼いている技術者が気の毒でした。

http://kodemari.net/img3/p686


  東京へ行ってきました 5
Date: 2020-05-29 (Fri)
これが古い話の最後です。現代のオルゴール作品も預っております。

写真はリュージュ製144弁カーテルボックス、現行商品でかなり高価です。傷一つないケースにピカピカのムーブメントが組込まれています。作られてから時間が経過していないので、櫛歯の調律はきわめて正確なままです。しかし線が細い演奏と言う印象を感じてしまうのは私だけでしょうか。造られてから100年以上が経過して、ドスの効いた音の方が魅力を感じてしまいます。
次はオートマタ付きポケットウォッチ、馬が首を上下して水を飲んでいる状態を表現しています。若い女性が井戸のポンプを上下させ、出てくる水の流れがガラスの棒が回転で表現されています。

そして最もありふれた家庭用ディスク・オルゴールであるレジーナ社製15.5インチのテーブルトップ型です。最初にアンティーク・オルゴールを買われる方には、沢山のディスクが入手でき、修理技術者も手慣れているこの型のオルゴールをお勧めします。

その他にペンダントになっている超小型オルゴール、大きな縦型の箱に入ったオルガニート20(ムーブメントは破損)、参考書籍やCD、ビデオテ−プ、パンフレット等も預りました

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  東京へ行ってきました 4
Date: 2020-05-28 (Thu)
古い話の続きです。沢山のオルゴールを工房に預けてきたんですが、やはり邪魔になるのではと忖度して、5/17(日)に堺の工房までオルゴールを引取りに行ってきました。主なオルゴールは次の3台です。今年の秋の大会で開催する予定のオークションまでウチで、預ることになりました。リビングはオルゴールで溢れかえっています。

写真の@のボワセレステ(小さなリードオルガン付きのオルゴール)、10曲も組み込まれているのはちと残念、もし4曲入りの中身の濃いオルゴールだったら魅力だったのですが。鞴(フイゴ)は珍しく健全で、櫛歯の伴奏を圧する大きなボリュームで演奏してくれます。

写真のAのサブライム・ハーモニー、櫛歯が3枚に分かれていて、凝った編曲が楽しめます。めっちゃ重い! 今回の中で一番欲しいオルゴールなのですが、私がオークションのスタート価格を設定したので、道義的に手を出すわけにはいけません。残念なことにゼンマイの巻上ハンドルを忘れてきました(探索依頼中)。ゼンマイの力はほとんど残っていないと思うので、もう演奏させるわけにはいきません。オルゴールが途中で停まると櫛歯を持ち上げたままになって、ショックが有れば櫛歯を折ってしまいます。

写真のBのインターチェンジアブル・シリンダー・オルゴール(シリンダー交換式)で、シリンダーがスペア共で4本付属しています。このオルゴールの蓋を取り付ける蝶番の一つが破損していて、蓋をあけて演奏することは危険です。

その内、録音をここでも公表するつもりで、準備中です。

http://kodemari.net/img3/p684


  東京へ行ってきました 3
Date: 2020-05-26 (Tue)
15日は藤沢から堺の工房までオルゴールを満載のハイエースで帰ってきました。14日に江戸川区で大型のアップライト型オルゴール(ミカド)とビン、15インチのディスク・オルゴール、大きなシリンダー・オルゴールを数台、書類多数を積込。次に立川市で大型のアップライト型オルゴール(ベル付きポリフォン)を積込、全部で300キロぐらいかな?

夕方にやっと堺の工房へ到着、積んできたすべてのオルゴール等を荷降ろし、めっちゃ重かった。レンタカーのハイエースを返却。へとへとで電車で帰宅。

写真は満載状態のハイエース。

http://kodemari.net/img3/p683


  東京へ行ってきました 2
Date: 2020-05-26 (Tue)
古い話の続きで恐縮です。

5/14の最後の訪問先は藤沢のコレクターの御宅でした。オルゴールが多すぎてマンションの一家族分がコレクションルームになっていました。エロイカ、ポリフォンのミカド、104、15インチのテーブルトップ、無数のシンギングバードケージとバードボックス、沢山のシリンダー・オルゴール、そして驚くことにミルズ・ノヴェルティー社のヴィオラノ・ヴァ−チュオーソが2台も置かれていました。引きが少なかったので全体の写真を取ることができませんでしたが、とっても大きな四角くて重いケースに収められた自動バイオリン演奏機です。2台とも不調のようで、一緒に行った技術者の工房で大掛かりな修理をすることになりました。大変重い楽器なので、運搬にはクレーンが必要、ピアノ運送専門家の出番です。

写真は弓に相当するマイカ(雲母)の円盤部分。

http://kodemari.net/img3/p682


  東京へ行ってきました 1
Date: 2020-05-24 (Sun)
随分前の話で恐縮ですが、5/13(水)〜15(金)の日程で東京までお上りさんやってきました。トヨタのハイエースと言うでっかい箱バンのレンタカーです。こんな長くて大きな車を運転したことが無いので心配でしたが、往復とも同行してくれた方が運転。

途中で明るい富士山を十分に眺めることができました。東名高速道路も首都高も新型コロナのせいでガラガラで渋滞無し。

両国の国技館の向かいに在るホテルに泊まりましたが、前の道路には車がほとんどいない。周辺のレストランはどこも19時ラストオーダー。運転ご苦労様の慰労会を予定してたんですが、コンビニの缶ビールと袋に入ったおかきをホテルの部屋で寂しく飲んでもらうことになりました。

http://kodemari.net/img3/p681


  悔しいボワ・セレステ
Date: 2020-04-27 (Mon)
またまたボワ・セレステの続きです、しつこいですね〜。写真1( http://kodemari.net/img3/p678 )と2( http://kodemari.net/img3/p679 )は昨夜のオークションで負けたボワ・セレステです、悔しい。この個体はオルガン・セクションが左端に置かれている珍しい初期型で、この時代ではオルガンが櫛歯の伴奏をしていました。オルガン・セクションが中央に置かれている後期型ではオルガンが主旋律で櫛歯は伴奏でした。落札価格はUS$800+24.5%≒110,000円、航空運賃や消費税と点検修理費をプラスすると300,000円程度になります。

色々なボワ・セレステがオークションに出品されていますが、2000年4月1日にイギリスのオークションハウスであるスキンナーに出品された写真3の超大型ルクルト製のボワ・セレステを紹介しましょう。写真を一見すると普通のシリンダー・オルゴールを思わせるプロポーションです。しかしこのケースは巨大で幅が57インチ≒145pも有ります。普通のボワ・セレステのケースは鞴(フイゴ)を収容するために、写真2に見られるように背が高い独特のプロポーションを持っています。ところがこの個体はケースが巨大なために、普通のプロポーションのケースでも鞴を収容できるのです。インターチェンジアブルのシリンダーは長さが26インチ≒66pも有ります。エスティメイトは6〜70,000ドル+バイヤーズプレミアム25%で840〜960万円と恐ろしく高価! 30年以上も市場をウォッチしてきましたが、この様に巨大なボワ・セレステは空前絶後です。

http://kodemari.net/img3/p680


  しつこくボワ・セレステ
Date: 2020-04-26 (Sun)
リードオルガン(と言うよりもハーモニカ)が組込まれたオルゴールはボワ・セレステと呼ばれています。最近ウォッチしているオークションサイトで続けさまにボワ・セレステが出ています。でも登録ジャンルはオルゴールではなくてオルガンになっていました(これ盲点)。

写真1(Lot 0326 http://kodemari.net/img3/p675 )は60本の櫛歯と17音のオルガンが組込まれたもので12曲も入っていて中身の薄い音楽になっているかもしれません。ケースの幅は73cm、シリンダー長さは40.5p、残念ながらチューン・シートは後世のもののようで記述が全くありません。エスティメイトは2,000〜3,000ユーロ+バイヤーズプレミアム23.8%≒(32〜48万円)。下記で演奏を聴くことが出来ます。
https://www.youtube.com/watch?v=zqstp05iq8Y

写真2(Lot 0309 http://kodemari.net/img3/p676 )は54本の櫛歯と17音のオルガンが組込まれたもので8曲入りです。ムーブメントのサイズは上記とほぼ同じですが、修理が必要なので、エスティメイトは13〜24万円。これは狙い目ですね。

写真3( Lot 0312 http://kodemari.net/img3/p677 )は26本の櫛歯と17音のオルガンが組込まれたものですが、この様に小型のボワ・セレステは見たことが有りません。こんなに小さいのに8曲も入っていて、かなり無理をしているのではないでしょうか。ケースの幅は46cm、シリンダー長さは15pと驚くほど小さい、残念ながらチューン・シートは残されていません。メーカーはAmi Rivencで1895年頃の作品。不調のようでエスティメイトは6〜10万円と超弱気。珍品好みの博物館向けかな?

  ミュージカル・ボックス誌第3号
Date: 2020-04-25 (Sat)
とっても遅れていました・・・日本オルゴール愛好会の機関誌「ミュージカル・ボックス」誌第3号ができ上り、4/17にほとんどを発送。今日翻訳原稿の原書執筆者に送付案内を書いて月曜日に投函すれば3号の作業は全て終わりですぅ・・・やれやれ。奥付には3/31発行なんちゃって、ウソを書いてます。

同人雑誌等で原稿が集まらなくて or 編集部内の対立?等で3号まで出版したら、息切れして廃刊というパターンが見られるそうです。有りがたいことに我がミュージカル・ボックス誌は原稿が集まりすぎて、毎号予算オーバーで、クラブの財政が危機です。

私はイギリスのケヴィン氏の書物を少しずつ翻訳して載せる作業を担当しています。今回はF.G.オットー&サンズ社で作られていた、キャピタル・カフ・ボックスという変わったディスク・オルゴールを取り上げました。ディスク・オルゴールは音楽データを薄い鋼の円盤に突起や穴と言う型で記録しますが、カフ・ボックスは突起(音楽データ)打ち出した鋼板を丸めて袖(カフ)の様な円筒にして記録しています。オットー社はレジーナ社との特許紛争に敗れてしまい、その生産量はわずかでした。アンティークとしてカフ・ボックスを買ったとしても、カフを買い足すことは至難ですし、新たに編曲を依頼して新しいカフを作ること、ほぼ不可能でしょう。

http://kodemari.net/img3/p674


  ボワ・セレステ
Date: 2020-03-09 (Mon)
小型のリードオルガンを組み込んだボワ・セレステと言う興味深いフォーマットのオルゴールがオークションに出ています。鐘や太鼓を組み込んだ賑やかな演奏をするオーケストラ・ボックスは好きになれないのですが、オルガンだけを組み込んだボワ・セレステ・オルゴールは面白い動作と上品な音で楽しませてくれます。

このオルゴールのサイズは35.5x87.6x45.7pで、かなり大型。スタート価格はUS$250+バイヤーズ・プレミアム28%(≒35,000円)、エスティメイト(落札予定価格はUS$700+28%(≒100,000円)と笑う程の安価。多分オークション終了間際の30秒ほどで、もっともっと遥かに高くなることでしょう。

オークションの説明では状態が分かりません。オルガン・セクションが完全に失われている個体を見たことが有ります、まさかの恐怖。リード・オルガンを鳴らすための風を送りだす鞴(フイゴ)の折り目が破れていて、オルガンの音が弱い、もしくは全く聴き取れないかもしれません。この場合は専用のセーム革を切り取って鞴を張り替えねばなりません。

後期型のボワセレステの例で、中央に位置するオルガン・セクションが主たるメロディーを演奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=2-7tiOclFI0
https://youtu.be/2OgQHNh9dAo?t=109

ムーブメントの下部に納められている鞴等の動きが分かる動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=_8WUbUsn4WM

初期型のボワセレステで、左端に位置するオルガンセクションは伴奏部分を演奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=E9tyaye9WU4

http://kodemari.net/img3/p672


  ロホマンのツインディスク
Date: 2020-02-13 (Thu)
アメリカのオークションサイトを見ていたら素晴らしいディスク・オルゴールを見つけてしまいました。ロホマン社製172型チューブラーベル付きのツインディスク・オルゴールで、24インチ1/2のディスク2枚一組で演奏します。世界中で所在が分かっているのは4台のみ。1台はドイツの博物館、1台は我が町西宮に在る堀江オルゴール博物館、1台は福岡の骨董屋さんの在庫ですが地震で破損したようです。アメリカに在った1台はカールソン・カン氏が永らく愛蔵していました。

このオルゴールを最初に買った人は分かりませんが30年以上前にイギリスのノーフォーク・ポリフォンセンターというアンティーク・オルゴール専門の骨董屋さんで売られていて、価格は凡そ45,000ドル(当時の円高レートだと450万円ぐらいでしょうか)でした。オルゴールの背面左下に小さな四角いラベルが貼ってありますが、そのラベルにはノーフォーク・ポリフォンセンターとカルソン・カン氏の名前がタイプされています。

近所の堀江オルゴール博物館で何度か演奏を聴いてみた事がありますが、櫛歯の素晴らしく力強い大きな音と、バランスの取れたベル(金属性のパイプを並べたチューブラー・ベル)の華やかな音がずっと耳に残っています。地を這うような低音が展示室の床を震わせていました。私は今まで300台以上のディスク・オルゴールを聴きましたが、これは断トツの一位です。

カルソン・カン氏が亡くなってしばらくするとオークションに出され19,000ドル(約230万円)で落札されました。今回のスタート価格はたったの1万ドル(110万円程)でエスティメイトは2〜3万ドルと、とても弱気です。ケースが酷く破損していますが、修理すれば問題なし。櫛歯は健全。ディスクは12曲分で24枚付属。欲しいのは山々ですが72歳の老翁には手が出ません。

http://kodemari.net/img3/p671


  クリスマスイブ
Date: 2019-12-18 (Wed)
家内と一緒に宝塚市仁川の日本キリスト教団の喜音(キオン)伝道所(会員数が20名以下の教会)で行われたクリスマスイヴ礼拝に出席してきました。小さなビルの3階部分の半分ほどが喜音伝道所のスペースです。

会堂内部に入ると質素な祭壇と講壇、立派な電子オルガンが目に入ります。正面は基督生誕を描いたキルトのタペストリー。

式次第はクリスマスの、とてもシンプルなデザイン。本日読み上げる聖書の一節と歌う讃美歌が式次第に印刷されていて、重い聖書や賛美歌を持たずに出席できます。出席者は11名と少し寂しい。今夜は燭光礼拝(キャンドル・サービス)と言うことで礼拝堂の照明が消されて、各自が手に持った蝋燭(キャンドル)に点火して礼拝(サービス)が進められていきます。揺らめく蝋燭の光、荘厳なオルガンの演奏、女性信徒の素晴らしいメゾソプラノのコーラス。見せるため聴かせるための飾った演奏ではなくて、信仰を表すための音楽は娯楽の音楽とは隔絶した魅力を以って迫ってきます。

礼拝が終わってお茶とおしゃべりの時間、信徒の女性が持ってきて下さった鹿児島土産のかるかん饅頭を美味しく頂きました。

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  オルゴールによるクリスマス・コンサート
Date: 2019-12-7 (Sat)
近所の福祉施設「はんしん自立の家」(家から車で15分ほど)で、オルゴールを持ち込んでクリスマス演奏会をやりました。皆さん退屈しては申し訳ないので家じゅうの大小様々なオルゴールを動員。

会場は2階の広いホール、障害を持った方が多くて、ほとんどが車椅子。カメラは持って行ったけど、撮れませんでした。多くの人が障害のために表情筋を自由に動かせないし、手の指が曲がっていたり、車椅子だったり・・・。カメラを取り出せる雰囲気ではありませんでした。演奏会の最中でも大きな声をあげたり突然拍手をしたり。それでも、ほとんどの人が大人しく聴いてくれました。でも喜びが自然とこぼれている顔は、どれも素敵でした。目を逸らせるのはとても失礼と思っていたので、演奏中はいつも端から端まで視線を配って、全員の顔を順番に見ていました。1/3ぐらいの人が居眠りしてました、「気持ち良くなったから眠る」は自然な形で喜びが溢れていたんでしょう。私に気兼ねして必死で起きていようなんて思っていないのですね、喜びが嘘や偽りじゃなかったのが分かり、とても嬉しく思いました。

演奏会では時々聴いておられる方々の手をオルゴールに載せて振動を感じてもらっています。今回、手が動かせない人は足をオルゴールに載せてもらいましたが、見てびっくり。50歳くらいなのに病気か負傷か極端な運動不足のためか、履いている靴下はまるで小学生のサイズ。

クラシック音楽の好きな所長さんやスタッフの皆さんは当然大喜びでした。来年も呼んでもらえそう。春には別のところに在る学齢前の子供が入所している別の施設でも呼ばれそう。喜んで下さるのはとても嬉しいものです。入所者の方が共同で作ったクリスマス用の飾り付けをお土産にもらいました。重いオルゴールを持ちあげたので、昨日と今日は腰が痛いデス

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  デュアル・ディスプレイ
Date: 2019-12-18 (Wed)
ずっとずっとオルゴール関係でとても忙しい日々が続いております。設立総会が済むと会報誌「ミュージカル・ボックス」第2号の編集、印刷発注、発送をやっつけました。次は翌年度年次会費の徴収と2019年度の決算です。「ミュージカル・ボックス」第3号の翻訳原稿執筆もやらねば。次号の翻訳記事はオットー社が手がけたキャピタル・カフボックス、クライテリオン、オリンピア、クラウン、ユーフォニアを取り上げます。

いま手がけている作業は故人となった方のオルゴール・コレクション売却の御手伝いです。アメリカのオークションサイトには3000件以上の落札データ(オルゴールだけでも)が蓄積されています。売却の参考となる機種を右側ディスプレイで選んで、左側ディスプレイにリストアップしています。これがまた根気の要る作業で、ようやく130件ほどピックアップ出来ました。連続してやらないと能率が上がらないので、まとまった時間の有る時しかできません。

ウインドウズ10導入時にやろうと思っていたデュアル・ディスプレイを、能率向上のために今使用中のウインドウズ7でもやってみました。左側は以前から使っていた中古ディスプレイで発色が黄色っぽい、右は今年の8月に長男と一緒に買ってきた中古ディスプレイ9,698円也で発色が青っぽい。ディスプレイを支えているアームは新品で6,458円もしましたが、能率はぐんと向上。デュアル・ディスプレイが無い場合はノートパソコンとデスクトップ・パソコンを狭いデスクに並べて作業しないといけませんが到底無理です。ウインドウズ7でもこんなに安価(16,156円)で簡単にデュアル・ディスプレイが実現できるんだったら、もっと早く導入するべきでした。原稿の執筆と会報誌「ミュージカル・ボックス」の編集作業には必須のアイテムです。

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  久しぶりのコンサート
Date: 2019-11-22 (Fri)
今日の午後、兵庫芸術文化センターまでコンサートを聴きに行ってきました。演し物はショスタコーヴィチのチェロ協奏曲1番とマーラーの交響曲第1番「巨人」。舞台左袖からソプラノ登場!?・・・と思ったらやや太め、細いスラックスをお召しになった女性のコンサートマスターでした。指揮はとても若い中国人カーチュン・ウォン。聴衆は平日の昼間という時間帯のせいかお歳を召した女性ばっかり。

ショスタコーヴィチは現代音楽に近いもので、どうも理解不能。隣席のおばさん達は爆睡、私も眠気に耐えてましたぁ。演奏が始まってから2〜3分後に突然演奏がストップ。どうも一番大事なチェリストの絃が切れたみたい。舞台裏で必死で絃の張り替えをやってたんでしょう、5分ほどバツが悪い状態で日本語がまだ上手はない若手の指揮者も対応に困ってました。

聴いていておもしろかったのはマーラーの巨人、第2楽章は元気をくれる明るい曲想でした。そう言えば何かのコマーシャルで聞いた覚えが有りますが。今回は下記よりも速くて若々しい弾んだ演奏でした。ポピュラーな曲は何時も裏切りません。下記はクラウディオ・アバドの指揮で、第2楽章は16:31あたりからです。
     https://www.youtube.com/watch?v=L_fdk2Z7M2I 
第4楽章は打楽器が主役? シンバル、ティンパニとバスドラムが大活躍。バスドラムのピアニッシモはオーディオで再現するのがとても困難ですが、うちのオーディオセットはほんの少し高級なので、お客さんに微かなバスドラムの音が出てるのを聞かせて自慢してます。

チケットは優しい知人からから貰ったものなので、原稿執筆の隙間をぬって観賞してコメントを送らねばなりません。明日から図書館で翻訳原稿執筆ぐわんばるぅぞうぉ〜〜!

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  トラファルガー・スクウェア
Date: 2019-11-18 (Mon)
近所にあるトラファルガー・スクウェアという喫茶店に行ってきました。そこは「はんしん自立の家」という社会福祉法人が経営しているところで、障害者も働ける宝塚小規模作業所です。私は12月8日に「はんしん自立の家」でオルゴールを使ったクリスマス演奏会を企画しています。どのような人が入所しているか全く分からなかったので、「どのようにしたら喜ばれるかな?」という事前偵察も兼ねています。

コーヒーはグァテマラのオーガニック・フェアトレードの豆を使用、店内に飾っているアフガニスタンの水彩画は売り物で、売り上げは宝塚アフガニスタン友好協会を通してアフガニスタンに寄付されるうです。

店内はイギリスのパブを目標にインテリアデザインされたそうで、なかなか居心地がよろしい。壁の落書きがおしゃれ。私は世間話がへたくそで話題に乏しいので、ニコルフレールの古い(1830年頃製造)小型シリンダー・オルゴールを話のタネとして持ち込みました。クラシック音楽がお好きなお客さんもいましたが、どうもアンティークのオルゴールは初めて聞いたとかで、とても喜んでもらえました。

身体障害者のお客さんも何人かコーヒーを味わっておられました。自分の意思を言葉にして出せない方も居られたので、演奏会にはかなり工夫が必要でしょう。

http://kodemari.net/img3/p666


  日本オルゴール愛好会の発足
Date: 2019-11-13 (Wed)
11/11(日)の話ですが、8月から鋭意準備をしてきた新しいオルゴールの組織「日本オルゴール愛好会」(JMBA)の設立総会を、兵庫県尼崎市のホテル・ファーストステイ尼崎で行いました。私も日本オルゴール愛好会設立準備委員会の一員から、編集と会計担当の役員となりました。

今回発足したJMBAは規則の前文で宣言されているように「老いも若きも、豊かな方もそうでない方も、語学の得意な方もそうでない方も、共に等しくオルゴールを楽しみたい。」を目標に、他所からの支配や制約を受けずに、我々だけの善意と奉仕で運営していきたいと思っております。そのために年次会費を4,000円に抑えました。

既に会報誌『ミュージカル・ボックス』の創刊号は9/30付けで(実態は10/16発送)発行しており、現在は第2号の編集作業中す。

会として第一回の見学会は堀江オルゴール博物館。ホテルで宴会の前に古いオルゴールを使って小さな演奏会を楽しみました、写真2の中で4台は私が持参したもの、3台は福井在住の会長が持ち込みました。

宴会のお弁当は肉も魚も凝った食材が使われており味は結構なものでした。左下の御饅頭も旨かった。ビールを1ダース準備したのですが、皆さん乾杯の一杯だけで8本も残ったのは意外でした。参加した皆さんは22時までオルゴールに関するおしゃべりとオルゴールを楽しんでいました。どうも食べ物や飲み物はどうでもよかったみたいです。

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  フローレンスのアンティーク・ショップ
Date: 2019-09-24 (Tue)
昨日の話ですが市内にある画廊「笹倉鉄平ちいさな絵画館」へ行ってきました。家から車で15分ほどの所にあるお洒落な画廊でした。展示は笹倉鉄平「原画」展〜優しい気持ちにある風景〜というタイトルでした。

昔の絵本に書いてあったような風景、憧れを以て眺めていた当時の私を懐かしく思い出します。

写真は会場で買った絵葉書、題はフロ−レンスのアンティークショップ。う〜〜ん、古い素敵なオルゴールが見つかるかな?

http://kodemari.net/img3/p664


  ポリフォン104
Date: 2019-09-22 (Sun)
昨日の日記の続きですが、翌日に静岡県の町までオルゴールを聞かせてもらいに行きました。オーナーの方はオルゴールを収集すると同時に、お宅のリビングを近所の方々に開放して時折演奏会を開催されていました。時には出張演奏もされていました。

最初に目に入ったのは写真(http://kodemari.net/img3/p661)のポリフォン社製104形で、1900年前後に作られた営業用のアップライト型オルゴールとしては最も沢山作られた機種でした。どのオルゴール博物館にも収蔵されていて、個人コレクションにもたくさん入っているありふれたオルゴールですが、ここの個体はとびきり綺麗、新品同様のエッジが立っているケースに入っていました。私は2百台以上ののアップライト型オルゴールを見ているのですが、この個体のケースは傷一つなく最も状態がよろしい。中のムーブメントも絶好調、ディスクも折れたプロジェクションはちゃんとオーナーの手で半田付けして修繕されていました。

写真(http://kodemari.net/img3/p662)は家庭用としてベストセラーだったレジーナ社製15インチのテーブルトップ形ディスク・オルゴール。日本の歌曲やイギリスから導入された民謡等のディスクがtくさん有りました。

写真(http://kodemari.net/img3/p663)は現代の作品、スイスのリュージュ社製サブライム・ハーモニー144弁です。現代のオルゴールとしては例外的に高価な機種でした。

  ボワセレステとサブライム・ハーモニー
Date: 2019-09-21 (Sat)
先週の話ですが、関東のオルゴールファンの方のお宅までオルゴールを聞かせてもらいに押し掛けました。実際に収集された方は亡くなっていて、今はお嬢様が管理されています。

まずポリフォン社製ミカド形、24インチのディスクで演奏するアップライト型。やはり日本のマンションの部屋には大きいですね、クラウン(上部の装飾)は天井まであと少し。音もでかい、家じゅうに鳴り響きます。たくさん見せてもらったオルゴールの中で、これだけ撮り忘れました。

写真(http://kodemari.net/img3/p659)は小型のリードオルガン(と言うよりもハーモニカ)が組込まれたボワ・セレステと言うタイプのシリンダー・オルゴール。この個体は各音にリードが2個一組で付いていて複雑で味わい深い音で演奏します。ボワ・セレステとしては後期に作られたもので、中央のオルガン・セクションがメロディーを、左右の櫛歯が伴奏を担当します。

写真(http://kodemari.net/img3/p660)はサブライム・ハーモニーと言うタイプのシリンダー・オルゴール。同じ音に調律している3枚の櫛歯が、微妙に異なる調律で素晴らしい演奏をしてくれます。

故人は合唱指導を長くされていた方で、音楽のプロの耳で選んだコレクションは流石でした。このレベルのボワ・セレステやサブライム・ハーモニーを自分の書斎で夜中に聴きたいものです。

  絵を描く
Date: 2019-08-28 (Wed)

8月中旬からから続けている作業ですが、新しいオルゴールの組織が発行する会報「ミュージカルボックス」誌創刊号の編集作業を続けています。今度は大きなA4判からコンパクトなB5判に換えてレイアウトを作りました。

手許に原稿が2編届いているので、できあがったレイアウトに流し込む作業を行いました。シンガポールに在る個人のオルゴール博物館を取材した記事ですが、原稿と共に提供された写真の状態が思わしくありません。写真は鳥かごのデザインの時計、鳥かごの中に立っている時針が回転する円筒形の文字盤を指して時刻を表示します。

蛍光灯の照明だから緑色の成分が強い上に薄暗くて、不自然な色に化けてしまいました。またカメラの超広角レンズも問題で、画像がかなり歪んで傾いています。そこで画像編集ソフトの登場。その結果が下の写真。写真1は修正前、写真2は修正後です。

まず蛍光灯由来の緑色の輝線スペクトルを補正、次に白熱電灯で撮影されたように全体の色調を変更。全体の傾きを修整、右半分の画像歪みと傾きを修正、画面全体を明るく修正、コントラストを少し強めに。傾きを補正した時に切り取られた周辺部分を、近い部分からコピーし、貼り付けて胡麻化しました。

う〜〜ん、こうなるとフォトグラファーの世界ではなくて、まるで絵描きの世界ですね。

 写真1 http://kodemari.net/img3/p657
 写真2 http://kodemari.net/img3/p658


  ハープイオリアン?
Date: 2019-08-27 (Tue)
最近のオルゴールのオークションは珍しいものが出なくて寂しい限りでしたが、これは珍品と思います。ケースは全く飾り気の無い単なる箱ですが、2枚に分かれた櫛歯の形状が気になります。これを出品したオークションハウスはオルゴールの知識が無いのでしょう。

サブライム・ハーモニーと呼ばれる形式は、2枚の櫛歯が全く同じ形状をしていて、この写真とは違います。ニコル・フレールで作られたピアノフォルテと呼ばれる形式は長いフォルテコーム(強い音を出す)と比較的短いピアノコーム(弱い音を出す)から成っているので、これも違います。

ニコルフレール以外で作られたピアノフォルテが、この写真に近い形状の櫛歯を持っています。しかしピアノフォルテは櫛歯の長い高級品が多かったようで、この写真のようにフォルテコームが短い例は見たことが有りません。

残るはハープイオリアン(Harpe eolienne)という形式です。写真の左側の長い櫛歯は普通の櫛歯ですが、右の短い櫛歯は左側の櫛歯よりも堅く作られており、伴奏として用いられます。これを発明したのはコンション(Conchon)で、とても珍しい形式です。私も聞く機会(実物でもCDでも)が一度も有りませんでした。この個体はメーカーを示すマークなどは無いようです。

エスティメイトは200〜400ポンド=高くても6万円! う〜〜ん安い!

http://kodemari.net/img3/p656


  シリンダー・オルゴールの書物
Date: 2019-08-20 (Tue)
イギリスに在るオルゴールの愛好家団体AMBC(Association of Musical Box Collectors)から2019年に出版されたシリンダー・オルゴールの本「The Cylinder Musical Box」を輸入しました。

サイズは大判で縦315oX 横302o、用紙が分厚くて120ページだけなのに厚さが15oもあります。著者Paul Bellamy氏の巻頭言によると「シリンダー・オルゴールのリストア(復元)作業にチャレンジしようとするアマチュア技術者のために」書かれているそうです。こちらは大きなイラストや写真がふんだんに入っていて、理解しやすくなっています。本はイギリスで出版されたためか、書物として中身の価値に見合わない稚拙な製本の技術が残念です

この様な本はGraham Webb氏著の「The Musical Box Handbook Volume1 Cylinder Boxes」が先輩(写真2の初版は1968年刊行、写真3の2版は1984年刊行)です。こちらのサイズはコンパクトで縦222oX 145o、用紙は分厚くて176ページなのに厚さが20oもあります。こちらの方はイラストや写真を入れるのが高価な時代なので文章主体です。
  写真2 http://kodemari.net/img3/p654
  写真3 http://kodemari.net/img3/p655

どちらの本も英文は平易で読み易い方だと思います。翻訳してもマーケットが小さいので売れないだろうナ。次はディスク・オルゴールの本を期待しております。

追記
著者に稚拙な製本について写真を添付してコメントしたら、丁寧な返事が返ってきました。向こうでも気がついていたようで、中身と表紙を貼り付けるボンドの強度が足らなかったようです。今までも私は製本作業(雑誌の合本が多かった)をいろいろな所に頼んできましたが、一度もミスが起こりませんでした。100年前に世界最高の蒸気機関車を作っていた工業先進国のイギリスが、ここまで落ちぶれるとは・・・・!

http://kodemari.net/img3/p653


  ニコライ2世
Date: 2019-07-14 (Sun)
県内の三田市と、遠く千葉県館山市からオルゴールのお友達が来られました。いつものように家にあるオルゴールを総動員して演奏会。今回のオルゴールは12時ころから昼食もぐもぐと同時並行で1時間ほどだけ、次の予定が迫っているので全部で10曲ほどしか聴いてもらえませんでした。

とても忙しい昼食の後は直ちにお客さんと一緒に3名で堀江オルゴール博物館で「ニコライ2世が愛したオルゴール」と題して開催されている特別演奏会(写真はプログラム)に駆けつけました。

今回は珍しくベイカー・トロール製の巨大なインターチェンジアブル・シリンダー・オルゴールとステラの26インチを聞くことが出来ました。ステラはごく普通のステラと同じ音でしたが、私達は年に1〜2回した演奏しないベイカー・トロールに注目していました。

別のところからの話では、数年かけて巨大なシリンダーを全てリピニングしたそうです。1本のシリンダーでも2万本以上も打ちこまれているピンの総植え替えが6本なんて、考えただけでも気が狂いそうで、とても多額の費用がかかったんじゃないでしょうか。大がかりな修復の成果でしょう、演奏は素晴らしいものでした。

http://kodemari.net/img3/p652


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