Page No.34
◆ カリオペの少し変わったディスク・オルゴール ◆

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少し変わった(カライオピーと発音する人もいます)のを見る機会がありました。外観は写真1の通りで外からが全く見えなくて、まるで(ディスク・オルゴールの下に置くディスク入れ)のような格好をしています。
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凝った彫刻のある扉を開けると写真2のような変わった配列のが現れます。左側A(26本)とB(21本)の櫛歯は右側のD(69本)とE(36本)の櫛歯と向かい合っています、を回すと左側の歯と右側の歯が同時に鳴ります。ABの櫛歯は細く、DEの櫛歯はより太く作られています。音の高さは同じですが音色はかなり違っていて、より複雑な音を狙ったのでしょうか。櫛歯Cは櫛歯Dの低音端で歯の太さが2倍以上あり、何かの事故で折れてしまったものを別の金具に取り付けて修理したもののようです。ディスクは、直径は583oで公称22インチと3/4。
巻き上げハンドルがディスクの下(奥側)に取り付けられており、ディスクを取り外さないと巻き上げできません。からの主軸は裏側から出ており、主軸に取り付けられたでスプロケットホイールを回すようになっています。は無く、演奏は写真2右下の四角い穴から覗いていている針金を曲げたスタートレバーを引いて始めます。は遠心力では開く扇形の真鍮板で写真2の左下の四角い穴から覗いています。
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箱の上部には写真3のように不思議な四角い穴が開けられており、その上に灰色の大理石を削って作った(写真3では取り外しています)が載せられています。バウワーズのを見ると111ページ左下に似たようなオルゴールが掲載されています。ただしそのオルゴールの上にはガラス張りのケースが載っていて、ケースの中のステージには3体の人形(?)が立っています。人形はバイオリンやチェロ、リコーダーを手に持っていて、何らかのアクションをしていたと思われます。
これからは想像なんですが何らかの事情で人形の部分が失われたので、以前のオーナーがマーブルの天板を作って載せたのではないでしょうか? はなぜか一段引きこんでいます。
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ここの工房でオーバーホールが実施される予定なので、また来月辺りに訪問して追加の記事を掲載する予定です。
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