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Page No.34
◆ カリオペの少し変わったディスク・オルゴール ◆
E034 掲載 2011/2/2

カリオペのディスク・オルゴール
 少し変わったカリオペ(カライオピーと発音する人もいます)の縦型ディスク・オルゴールを見る機会がありました。外観は写真1の通りで外からディスクが全く見えなくて、まるでビン(ディスク・オルゴールの下に置くディスク入れ)のような格好をしています。
 凝った彫刻のある扉を開けると写真2のような変わった配列の櫛歯が現れます。左側A(26本)とB(21本)の櫛歯は右側のD(69本)とE(36本)の櫛歯と向かい合っています、スターホイールを回すと左側の歯と右側の歯が同時に鳴ります。ABの櫛歯は細く、DEの櫛歯はより太く作られています。音の高さは同じですが音色はかなり違っていて、より複雑な音を狙ったのでしょうか。櫛歯Cは櫛歯Dの低音端で歯の太さが2倍以上あり、何かの事故で折れてしまったものを別の金具に取り付けて修理したもののようです。ディスクは4000シリーズ、直径は583oで公称22インチと3/4。

 巻き上げハンドルがディスクの下(奥側)に取り付けられており、ディスクを取り外さないと巻き上げできません。スプリング・モーターからの主軸は裏側から出ており、主軸に取り付けられたベベルギアでスプロケットホイールを回すようになっています。コインメカニズムは無く、演奏は写真2右下の四角い穴から覗いていている針金を曲げたスタートレバーを引いて始めます。ガバナーベーンは遠心力では開く扇形の真鍮板で写真2の左下の四角い穴から覗いています。
カリオペの櫛歯
天板の穴  箱の上部には写真3のように不思議な四角い穴が開けられており、その上に灰色の大理石を削って作った天板(写真3では取り外しています)が載せられています。バウワーズのエンサイクロペディアを見ると111ページ左下に似たようなオルゴールが掲載されています。ただしそのオルゴールの上にはガラス張りのケースが載っていて、ケースの中のステージには3体の人形(オートマタ?)が立っています。人形はバイオリンやチェロ、リコーダーを手に持っていて、何らかのアクションをしていたと思われます。

 これからは想像なんですが何らかの事情で人形の部分が失われたので、以前のオーナーがマーブルの天板を作って載せたのではないでしょうか? 箱の裏側はなぜか一段引きこんでいます。
ここの工房でオーバーホールが実施される予定なので、また来月辺りに訪問して追加の記事を掲載する予定です。

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