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Page No.27
◆ オークション・カタログを眺めていて ◆
E027 掲載 2008/2/21

オークションに参加するときの第一歩はオークション・カタログの入手です。オークション・ハウス ( auction house オークションを主催する会社、クリスティーズ Christie’s、サザビーズ Sotheby’s、などが有名)に申し込む(最近はサイトからメールで可能)と次回のオークション・カタログ( auction catalog )が送られてきます。その中で気に入ったものがあれば買いたい金額を所定のフォーム(カタログの最後に添付)に書いてファックスするか、サイトのメールフォームで申し込む(ビッド bid、応札)ことができます。カタログの中には写真(重要なものはカラーで)、ロット・ナンバー( lot number 整理番号 )、簡単な説明、状態の説明、付属品( ディスク、交換用シリンダー )、寸法、落札予想価格(エスティメイト estimate )、もしあれば重要な来歴( プルーバナンス provenance )が書かれています。
クリスティ−ズの広告 クリスティーズ広告
クリスティーズ
クリスティーズはイギリスのロンドンはサウス・ケンジントンにある世界最大のオークション・ハウスです。そのカタログと広告および公式サイトはクリックしてください。
手許に1997/4から2007/5までの29冊のカタログがあります。セール(売立)は年間平均すると2.6回開催になります。最近4年間のカタログを比較してみましょう。クリスティーズのカタログには、科学実験機器、光学機器、カメラ、蓄音機、時計、ジュークボックスなども一緒に掲載されています。

  2004年 セールは3回開催  総ロット数2079件
        そのうちオルゴール等自動演奏楽器は337件
 2005年 セールは2回開催  総ロット数498件
        そのうちオルゴール等自動演奏楽器は186件
  2006年 セールは2回開催  総ロット数365件
        そのうちオルゴール等自動演奏楽器は127件
        2006年のカタログ代は1冊分で34ポンド=7300円程度。
  2007年 セールは1回開催  総ロット数125
        そのうちオルゴール等自動演奏楽器は67
        2007年のカタログ代は1冊分で19ポンド=4600円程度。

1回のセールで最もロット数が大きかったのは2004年5月で総ロット数1179件、そのうちオルゴール等自動演奏楽器は131件でした。年を重ねるごとにオルゴールの取扱量が減少してきているのが分かります。2007年のオルゴールの落札価格合計は285,516ポンド=6千万円程度ですが、この年の時計関係の落札価格は24億円を超えています。印象派の油絵でしたら1枚で50億円を超える例もあります。世界最大のオークション・ハウスであるクリスティ−ズにとってオルゴールは市場が小さく、あまり美味しくない分野なのでしょうか。

サザビーズ
サザビーズはイギリスのロンドンはニューボンド・ストリートにあるオークション・ハウスで、カタログと広告および公式サイトはクリックしてください。手許に1994/10から2006/4までの24冊があります。セール(売立)は年間平均すると2回開催になります。3年分のカタログを比較してみましょう。

  2004年 セールは2回開催  総ロット数505件 
      そのうちオルゴール等自動演奏楽器は23件
  2005年 セールは1回開催  総ロット数453件
      そのうちオルゴール等自動演奏楽器は6件
      2005年のカタログ代は1冊分で75ポンド=16000円程度。
  2006年 カタログは1回分のみ 総ロット数237件
      そのうちオルゴール等自動演奏楽器は3件
      2006年のカタログ代は1冊分で77ポンド=16000円程度。

このようにオルゴールの取扱量が極めて少なくなったので、カタログ購入はやめました。ただし取扱量の例外として1998年3月には自動演奏楽器の個人コレクション230点のセールを実施しています。
スキンナー
スキンナーはアメリカのニューハンプシャー州ボストンにあるオークション・ハウスで、カタログと広告および公式サイトはクリックしてください。手許にあるカタログは1部(2000年4月)だけです。サイトの記事を参考にしてカタログの比較表を作ってみました。

  2006年 セールは3回開催  総ロット数3572件
      そのうちオルゴール等自動演奏楽器は271件
  2007年 セールは2回開催  総ロット数2068件
      そのうちオルゴール等自動演奏楽器は197件

ここは急にオルゴールの取扱量が増加しているところです。

スキンナーの広告 スキンナー広告
ボナムズの広告 ボナムズの広告 ボナムズ
ボナムズはロンドンのニューボンド・ストリートにあるオークション・ハウスで、広告および公式サイトはクリックしてください。ここのカタログは持ち合わせておりません。サイトの記事を参考にしてカタログの比較表を作ってみました。

  2006年 セールは2回開催  総ロット数660件 そのうちオルゴール等自動演奏楽器は209件
      このセールにはスナッフボックスの個人コレクション152点!が含まれています。
  2007年 セールは1回開催  総ロット数402件 そのうちオルゴール等自動演奏楽器は46件

ここも急にオルゴールの取扱量が増加しているところです。
サイトによるオークション情報
クリスティーズ、サザビーズ、オークションチーム・ケルン(広告カタログ、公式サイト)はサイトで各ロットの個別の写真を公開していませんが、落札価格を公開しています。スキンナーとボナムズはサイトによる情報公開に力を入れていて、すべてのロットの写真、説明と落札価格をサイトで公開しています。サイトがここまで充実しているのだったら、高価で遅い紙のカタログを取り寄せなくてもいいのかと思えます。


サイトによるオークション情報の便利な点
  郵便によるカタログよりも早く情報が得られる。
  メールですぐにビッドが可能、・・・・・もしお金持ちだったら!
  カタログ代と送料は無料
  気になるロットだけプリントアウトできる。
  落札価格はカタログによるオークションでも、サイトだけで公開される。

サイトによるオークション情報の不便な点
  カタログでもサイトでも同じことですが、カタログは実物ではありません。
  先ず音が聞こえない。
  部品がすべてそろっているのかが、数枚の写真からは確認できない。
  どれぐらい破損しているのかよくわからない。
  他の分野のロットにオルゴールが埋没していて、見つけ出すのが困難。
  写真が多いのでサムネイルとデータを表示するのが遅い。
  各ロットの拡大した詳細写真を表示するのにも時間が掛かる。
  紙のカタログのようにパラパラとめくって探すことが出来ない。

本当に素晴らしい逸品はなかなかオークションには登場しないものです。でも2〜3年に1回ぐらいは期待できます。20インチ以上のディスク2枚を同時に演奏するツインディスク・オルゴールバリエーション・ボックス、優れたグラン・フォーマット・オーバーチュア、ごく初期に作られ宝石などで装飾されたオルゴールなども今までのオークションに登場しています。次のオークションに何が出ているのかは楽しみなものです、たとえ買えなくても。

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