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リプロデューシング・ピアノ ( reproducing piano )
g092 G0916 掲載 2005/9/5

リプロデューシング・ピアノはプレーヤー・ピアノが発展したタイプで、同じように長短の穴の形で演奏する楽譜を記録されたペーパーロール( ピアノロール )を空気の負圧で読み取って演奏するものです。プレーヤー・ピアノの機能に加えて音の強弱やペダリングの情報も記録されていて、より演奏表現が豊かになっていました。

大恐慌が起こる前の1920年代がその絶頂期でした。安価な足踏み式プレーヤー・ピアノが百万台以上販売されたのに、高価な楽器であったリプロデューシング・ピアノの生産量は数千台にとどまりました。アメリカではウェルテ・ミニヨン ( Welte Mignon )、デュオアート( Duo-Art )、アンピコ( Ampico )が有名で、スタインウエイなどの有名なピアノに組み込まれた販売されました。ヨーロッパではフプフェルト( Hupfeld )のディー( Dea )とフィリップス( Philipps )のデュカ( Duca )が有名です。

リプロデューシング・ピアノのシステムは高価な木材を使い豊かな彫刻やマーケットリーパーケットリー(象嵌細工)を施された特別な様式のケースに収められたグランド・ピアノに組み込まれていたものが多く、かなり豊かな家庭でないと買うことができませんでした。当時の価格は4,000ドル、1ドル=2300円で換算すると9百万円程度になりますでしょうか。部屋の片隅にグランド・ピアノを設置するにはかなり大きな部屋が必要です。
華やかな装飾が施されたリプロデューシング・グランド・ピアノ
リプロデューシング・グランド・ピアノ
華やかな装飾が施されたリプロデューシング・グランド・ピアノです。リプロデューサーを操作する部分は鍵盤の下の抽斗に格納されています。

この写真はノフ・アンティークス・シェルマンの磯貝氏の好意で撮影したものです。



このリプロデューシング・グランド・ピアノのペーパーロールは鍵盤の上に見えるシャッターの中に格納されています。リプロデューサーを操作する部分は鍵盤の下の抽斗に格納されています。

この写真は東京都文京区にあるオルゴールの小さな博物館の好意で撮影したものです。
このようなリプロデューシング・グランド・ピアノのメーカーは宮殿のような豪奢な貴賓室(正しい意味でのMansion マンション)を持っており、そこで有名なピアニスト達がマスターとなるピアノ・ロールを記録するための演奏を行いました。ピアニストが出来上がったロールを試聴して満足するとそこに承認のサインをしたそうです。当時の高名なピアニストたちはこぞってピアノ・ロールに演奏を残しました、たとえばウラジミール・ホロビッツ、イグナッツ・ヤン・パデレフスキー、リヒアルト・シュトラウス、アルフレッド・コルトー、フェルッチョ・ブゾーニなどです。ロールの始まりの部分には演奏家の写真やサイン、曲目解説などが印刷されていました。これはコルトーのロールの例です。そのおかげで彼らの演奏を今でもリプロデューシング・グランド・ピアノの演奏を通してCDで聞くことができます。またそのピアノ・ロールは現在でもたくさん販売されていて、コレクターは1000本以上持っているのが普通のようです。

リプロデューシング・ピアノはこのサイトの主題であるオルゴールからかなり離れた自動演奏楽器ですので、サイト・オーナーにとってあまり得意な分野ではありません。

ライプツィヒ( Leipzig )
g092 G0917 掲載 2017/2/3

ライプツィヒ(Leipzig)はザクセン州に属するドイツの都市で人口は約55万人、州都ドレスデンをやや上回ってザクセン州では最大の都市です。ザクセン州の前身ザクセン王国(Königreich Sachsen)は、1806年から1918年までドイツに存在した王国で首都はドレスデン、前身はザクセン選帝侯領。1918年のヴァイマル共和国の樹立によって消滅しました。
シンフォニオン社の本社屋
ポリフォン社の本社屋
左上の写真はシンフォニオン社、左下の写真はポリフォン社の本社工場。

テレマンやバッハが市民の音楽活動を進め、市民階級による自主経営団体として1743年に発足したライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は世界初の民間オーケストラです。フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディやアルトゥル・ニキシュ、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ブルーノ・ワルターといった音楽家が首席指揮者を務めました。 ここでベートーヴェン「ピアノ協奏曲 皇帝」、シューベルト「交響曲 ザ・グレート」、シューマン「交響曲 春」、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」、「ヴァイオリン協奏曲」などが初演されました。

ザクセン選帝侯領では他の地域に比べて検閲や出版統制が緩かったことからライプツィヒは書籍・印刷の街としても世界有数の歴史を持っています。ライプツィヒの音楽文化とも影響し合って、世界で最初の音楽出版社ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社(Breitkopf & Härtel)が1719年に創業しました。
1813年にはナポレオン戦争中最大規模の戦いが行われ、ナポレオン1世麾下のフランス軍19万と、プロイセン・ロシア帝国・オーストリア帝国・スウェーデンの連合軍36万が激突する舞台となりました。戦乱から復興後のライプツィヒは商業と並んで学問や芸術、とりわけ音楽における中心地としてウィーン、パリと共にヨーロッパを代表する音楽の都として繁栄していました。工業化時代に入ると、ライプツィヒはその強固な経済基盤の下で工業都市として急速に発展し、ドイツ帝国有数の大都市として更なる拡大を見せ、1931年には人口71万9千人を数えました。

ディスク・オルゴールを発明したオスカー・パウル・ロホマンが、ライプツィヒ近郊のゴーリス(Gohlis)でシンフォニオン社を設立したのは1886年のことです。1887年にシンフォニオン社の社員であったグスタフ・ブラッハウゼンがライプツィヒ近郊のヴァーレン(Wahren)でポリフォン社を設立しました。このほかにカリオペ、コメット、ロホマン、モノポール、オルフェニオン、オルフェウスなどもライプツィヒ市近郊で創業しました。

レゾネーター ( resonator )
g092 G0915 掲載 2005/5/12

この部品の形状や位置などについはイラストG0051櫛歯をご覧ください。
この用語に関してはオルゴール用語集の中にある「チューニング・ウエイト」G0405の記事を参照してください。その記事の中では赤字でこの用語を表記しています。

イギリス Mary Arden

レディズ・ネセサリ ( ladies’ necessaire )
g092 G0914 掲載 2005/6/14

オルゴールを応用したノヴェルティー・グッズの一分野で、縫い針、糸、シンブル(指貫)などをまとめて箱に収めたもののことです。通常小型のシリンダー・オルゴール(2曲演奏するタイプが多いようです)が底に収められています。
レディズ・ネセサリのカタログ
レディズ・ネセサリ(ここではレディズ・コンパニオンと表記)の掲載された当時のカタログ。

出典 カタログ・リプリント G. Baker-Troll &Co. P56、57

表面はやわらかい革で覆われていて、中はプラシ天(plush 毛足の長いビロード)でアップホルスター(upholster キルティングのような仕上げ)されているものが多いようです。当時は夥しく作られたようで、今でもオークションにたくさん出品されています。

録音マニュアル 1wav ( recording manual wav )
g092 G0918 掲載 2007/5/1

1 マイクロフォンをセットする。ポリフォン24インチと指向性マイクロフォンの場合マイクロフォンの先端をケースの底板から10cmぐらいまで近寄せた極端なオンマイク録音とする。マイクロフォンとケーブルをつなぐコネクターの合印に注意。マイクプリアンプDUOのソケットの奥まで確実に押し込むこと、このソケットは極めて固い。マイクロフォンが完全に入っていないとCUBASIS VSTの動作が不安定になる。他のUSB機器はすべて取り外す。レジーナ15インチの場合とエロイカの場合のマイクロフォン位置。

2 ヘッドフォンはDUOの前面パネルHEADPHONESへつなぎボリュームは1時の位置。

3 DUOはチャンネル1のMICキャノンソケットとキャノンケーブルをつなぐ。前面パネル、LINE LEVEL INPUTは-10(押し込んだ状態)、MIC1のボリュームは4時の位置(DUOとCUBASISのレベルメーターが赤くならない最大値、録音の都度調整したほうが良い)で、PADはオフ(押し込んでいない状態)、MIC2のボリュームは最小でPADはオフ(押し込んでいない状態)、STAND ALONE MODEはオフ(押し込んでいない状態)。

4 パソコンのパワーオン、次にDUOのパワーとファンタム電源をオン。

5 CUBASIS-VSTを立ち上げる。

6 アレンジ画面左端の録音可をクリックするとオーディオファイル用フォルダの選択画面が開くのでドライブF/CDPool/Recording(ここにワークファイルが作られる)を選択する。

7 ツールバーのオプション、オーディオの設定、全般、をクリックしM-Audio DUO USB ASIO(=DUOを認識している)とサンプリングレート44,100kHzが出ているはずなので確認する。ツールバーのオプションでバックグラウンド再生をオフにする。他はデフォルトのまま。

8 再度ツールバーのオプション、オーディオの設定、モニター機能をオンにする。表示が「オーディオ機能をオフにする」「モニター機能オフ」と表示されていればOK。

9 VSTチャンネルミキサー(ツールバー左から9番目)をクリックする。録音にはオーディオ1(チャンネル1に左チャンネル)を使用するのでch 1の一番上IN 1 Lをクリックする(色が少し変わる)。他のチャンネルからの影響を除くためIN 1 LのSOLOをクリックして他のチャンネルをミュートする。この段階でヘッドフォンのモニターが可能なので音が入っているかどうか確認する。

10 下の細長い画面でL,Rをダブルクリックして入力する。Lは開始時点でデフォルトのまま、Rは終了時点で250(小節)を入力。Lが1.1.0、Rが250.1.0となるはずである。

11 エアコンなどの騒音源をオフ。

12 アレンジ画面で右側に演奏時間が表示される。黄■をダブルクリックするとカーソルが起点に戻る。赤○をクリックすると録音可能になり緑▲をクリックすると録音が始まる。演奏を始める前にゼンマイを巻き上げておくこと。演奏が始まって1/4経過したらストッパーを止める位置へ動かしておくこと。演奏が終わると黄■をダブルクリックして録音を止めカーソルを起点に戻す。

13 ツールバーの右端(外部波形編集ソフト)をクリック(バックグラウンド再生をオフにする旨のメッセージが出る場合はOKをクリックする)してWaveLabLiteを起動する。前後の不要な無音や雑音区間、コインドロップ音を選択してDeleteする。先頭の無音区間は1秒間、録音する時間は下記のとおり。別名でドライブGのRecording フォルダにWAVファイルを保存する。ワークファイルなので名前は適当で可。この段階ではモノラル録音である。保存できたらWaveLabLiteのファイルを閉じる。
ポリフォン24インチ 70小節で止める、2分06秒に統一、モノラルで11MB、ステレオで22MB
エロイカ 36小節で止める、56秒に統一    モノラルで 5MB、ステレオで10MB
レジーナ15インチ 36小節で止める、56秒に統一 モノラルで 5MB、ステレオで10MB

14 デスクトップからマスターユニットを起動する。画面左中央の読込ボタンをクリックし12で保存したワークファイルを読み込む(このとき10秒程度必要)。ワークファイルは オーディオ1 def.tk 99.WAV となっている。99の部分が最大の数字のものがこれから作業にかかるものである。

15 エフェクトは低音を強調は0、ステレオ感を拡大は0、サウンドをシャープには0とする。処理をクリックしてから「オーディオトラックを別名で書き出し」を選び下記の名前でWAVファイルを保存する。

16 この段階でステレオになる。ディスクの番号は4桁と5桁がある。

ポリフォン24インチ P4280LastRoseSummer.WAV
モノラルで11MB ステレオで22MB CDPOOL01
エロイカ E8031LastRoseSummer.WAV
モノラルで 5MB ステレオで10MB CDPOOL11
レジーナ15インチ R1031LastRoseSummer.WAV
モノラルで 5MB ステレオで10MB CDPOOL21

17 WAVファイルを保存したらマスタ−ユニットの左に出ている曲データをデリートし、アレンジ画面の波形をデリートする。

18 このWAVファイルはCDに録音するステレオのマスタとなる。1枚のCDに収まるように選んで新しいフォルダに収容する。ドライブCでフォルダ名(CD番号)は「あこCD-0401」とする。あこCD(固定)、04(最初に制作した西暦年号の最終桁)、01(CD制作の連番)。

19 このフォルダからB’sRecorderでCDにコピーする。


録音マニュアル 2 mp3 ( recording manual mp3 )
g092 G0919 掲載 2007/5/1

1 B’sRecorderの起動。

2 補助メニューでリッピングを選択。

3 著作権 → はい。

4 リッピングの曲目選択の画面が出る。デフォルトは全選択であるので不要なものはチェックをはずす。

5 開始をクリックすると保存する場所を聞いてくるので、ドライブCの「リッピング作業領域」を選択。

6 ファイル名に適当な名前を付ける。「Work」という名をここで付けるとWork001,Work002 ・・・というファイル名で保存される。

7 リッピングが終了すればOKをクリックしてからB's Recorderの終了。

8 ドライブCの「リッピング作業領域」を開いて.WAVファイルができていることを確認(ファイルサイズは大きい 1分間で10メガバイトぐらい)。

9 Audacity(Short Cutの中にある)の起動。

10 ファイル → 開く → ドライブCの「リッピング作業領域」を開いて変換したいファイルを1曲だけ選択する。複数選択してもコンバートは1曲ずつしかできないので無意味。

11 開くをクリックすると波形が表示される。

12 ファイル → MP3ファイルの書き出し → 保存する場所を聞いてくるので指定する。

13 ファイル名はデフォルトが6で決めたファイル名.mp3となるので必要ならば修正する。

14 保存 → MP3ファイルのIDタグをエディットの画面が表示される。

15 フォーマットは互換性を重視するのでID3V1を選択する。

16 タイトル、アーティストを適当に入力する。ジャンルはClassicalを選択。OKをクリック。

17 ファイルサイズが1/10程度に圧縮されているので、確認する。

18 次の曲の10の作業へ戻る。

19 必要な曲数の作業が終わればAudacityの終了。

20 ローカルのmp3ファイルへ登録し、ffftpでサーバーのmp3ファイルヘ送る。


ロット・ナンバー ( lot number )
g092 G0911 掲載 2005/4/19

この用語に関してはオルゴール用語集の中にある「オークション」G0117の記事を参照してください。その記事の中では赤字でこの用語を表記しています。

イギリス The Grammar School and Guild Chapel, Stratfird on Avonの風景を掲載しています。