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ユーゲント・シュティール様式 ( Jugentstil )
g081 G0803 掲載 2007/6/27

フランスで始まったアール・ヌーボー様式がドイツ語圏に伝わり、ユーゲント・シュティール様式(Jugendstil 英語ではyouth style、青春様式)と呼ばれていました。その語源はドイツで発行された雑誌「Die Jugend」に由来するものです。フランスのアール・ヌーボーと同じく自然界の植物に学んだ曲線を多用する独特のデザインです。

ディスク・オルゴールの最盛期から末期にかけて、ごく一部のケースがこのデザインで作られました。サイトオーナーの実見ではポリフォン社の19インチ5/8とベル付き22インチ1/2のアップライト型に限られています。

ポリフォン19インチ ユーゲントシュティール様式のケース
ポリフォンベル付き19インチ ユーゲントシュティール様式のケース
ポリフォンの19インチ5/8オートマチック・ディスク・チェンジで、ケースがユーゲント・シュティール様式です。アップライト型オルゴールによく使われている重厚なチュートン様式とは違い曲線(特にペディメントの部分)が多く使われているのがお分かりでしょう。
この写真は神戸市六甲山にあるホール・オブ・ホールズ六甲の好意で撮影したものです。






ポリフォンのベル付き22インチ5/8オートマチック・ディスク・チェンジのアップライト型です。ケース上部の透かし彫り部分にユーゲント・シュティール的曲線のデザインが使われています。
この写真は静岡県伊東市にある伊豆オルゴール館の好意で撮影したものです。


ステラのテーブルトップ型ケース前面にこのデザインの絵が描かれたものがありますが、作ったのはスイスのフランス語圏にあったメルモード・フレール社なのでアール・ヌーボー様式の項目をご覧下さい。

ユンハンス社 ( Ihre Junghans Uhren GmbH )
g081 G0801 掲載 2005/7/19 改訂1 2005/10/2

ユンハンス社は1861年にドイツにて創設され、現在はドイツのシュランベルク( Schramberg
)に本社を置く時計メーカーです。最近では電波受信式腕時計に力を入れてきましたが、機械式手巻き腕時計の復刻も手がけています。

オルゴール全盛時代におけるユンハンス社とオルゴールの接点は小型のキャリッジ・クロック(大きさが15cmX15cmX30cm程度)の頭部に組み込まれたシンフォニオン社製の小さなディスク・オルゴールです。そのオルゴールはシンフォニオン社製で最も小さなサイズのディスク(直径11.5cm、4インチ1/2)を使うものでした。

どうもこのあたりの大きさが最小のディスク・オルゴールのようで、サイト・オーナーは実物を見たいと探しておりますが未見です、したがってここに掲載できる写真はありません。知り合いの時計店からディスクを輸入して欲しいと頼まれたことがありましたが、そのとき見せてもらって写真の一つも撮っておくべきでした。
ところがごく最近になって我が家から最も近い(車で5分)コレクターのお宅にこれを発見!

小型のキャリッジ・クロックの頭部に組み込まれたシンフォニオン社製の小さなディスク・オルゴール
シンフォニオン社製の小さなディスク・オルゴールの櫛歯回り
小型のキャリッジ・クロックの頭部に組み込まれたシンフォニオン社製の小さなディスク(直径11.5cm、4インチ1/2)を使うディスク・オルゴールです。ディスクはネジでしっかり取り付けられるセンター・ドライブの一種です。









ディスクを取り外してみました。ごく小さな櫛歯に注目してください。オーナーの話によると、オルゴールを毎正時に1回演奏するようにすると8時間でゼンマイがすべてほどけてしまうそうです。

この写真はある個人コレクターの好意で撮影したものです。

David BowersのエンサイクロペディアのP216とP247にこの項目に関する写真が掲載されていますのでご覧ください。

用語、固有名詞などの発音 ( pronunciation )
g081 G0802 掲載 2005/12/13改訂2 2012/1/25

シリンダー・オルゴールはスイスのフランス語圏(本場フランスで話されているフランス語と殆んど同じです)で多く作られましたので、関連する固有名詞の多くはフランス語です。当時シリンダー・オルゴールの最大のマーケットはイギリスであり、現在も研究が盛んなのはイギリスとアメリカです。従って部品等の名前は英語で記述されている文献がほとんどです。

ディスク・オルゴールは主としてドイツで作られましたので関連する固有名詞はドイツ語ですが、部品の名前などは最大のマーケットであって現在の研究者も文献も多いアメリカとイギリスに合わせて英語で記述されています。

フランス語、ドイツ語、英語、チェコ語にあって日本語に無い発音をカタカナで表記するのはもともと無理があります。発音記号で表現すれば正しい表記になるのですが、このサイトを見ておられる皆さんのパソコンには発音記号のフォントが登録されていないと思われます。そこで「オルゴールに関する用語の発音辞典」というの辞書のようなページを作るべく作業中です。

発音の辞書は元綴をキーとしてアルファベット順にソートしてあります。各言語には特有の変音記号や文字があります。フランス語のアクサン・テギュ、アクサン・グラーブ、アクサン・スィルコンフレクス、トレマ、セディーユ、ドイツ語のウムラウト、エスツェット、チェコ語のチャールカ、クロウジク、ハーチェクなどを表現しなければなりません。一応入力しましたが、皆さんのコンピューター( Win XPの標準状態 )では表示されない場合もありますので悪しからずご了承ください。
SitePalのサイト

フランス語、ドイツ語、英語、の発音はSitePalのサイトに掲載されたネイティヴの人の発音を聞いて、カタカナで表記しております。
まだこの辞典はしばらく作業中です。800語程度の見出語でスタートしましたが、かなり膨大な作業量です。今年2012年の4月までに一段落を目指して努力しますので、今しばらくお待ちください。