g012 G0115 掲載 2005/4/28
世界で最初にを開発したによって作られたオルゴールで、最高傑作といえば38型エロイカということになるでしょう。13インチ5/8ののが3枚一組で、2台のによって同時に回転して演奏します。50の櫛歯2枚がセットになって1枚のディスクに対応しています。ディスク3枚で3組6枚の櫛歯、300ノートで演奏するという凝った仕掛けになっております。日本には多分20台以下しか持ち込まれていないと推定します。編曲の違う3枚の8000番台のディスクを演奏するエロイカは確かにすばらしいオルゴールです。のオルゴールとしては最も成功した機種でしょう。サイトオーナーが持っているので、ついつい自慢したくなってしまいますが。
のデザインは主として2種類に分けられます。いわゆるドーム・トップと呼ばれている時計とセットになったデザイン(下の写真では左から3番目)のものと、普通の細いです。普通の細いアップライト型もリトグラフ付(下の写真では左端)、時計を載せたもの(左から2番目)、丸い装飾ガラスのもの(右端)、普通の素通しガラスのものがあります。
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シンフォニオン 38型 エロイカ

輸送用木枠に固定されたエロイカのムーブメント
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シンフォニオン 38型 エロイカ 左よりリトグラフ付き、時計を載せたもの、ドーム・トップ、丸い装飾ガラス付き 左端はファミリア坂野コレクション所蔵。左より2番目の写真は山梨県北杜市にある萌木の村博物館ホール・オブ・ホールズの好意で撮影したものです。次は撮影記録なし。右端の写真は東京都文京区にあるオルゴールの小さな博物館の好意で撮影したものです。
作業が終わって輸送用フレームに取り付けられて送り返されてきたエロイカのです。これからフレームから取り出して、ケースに組み込もうとするところです。 左は表側で50ノートの櫛歯2枚1組が3組あるのに注目してください。右は裏面でスプリング・モーターが2台見えます。コイン・トリップ・アームの一部が木製(軽量化のため)です。これはコイン1枚で1回演奏するタイプ。 サイトオーナー所蔵
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のもの(営業用)と、ノブを引き出して演奏するもの(家庭用)とがありました。コイン1枚で1回演奏するものと、2回演奏するもの(専用のギアが最初から組み込まれていました)とがありました。
ディスクで8000番台の番号のものは3枚とも編曲が違っていてA,B,Cのマークが書かれています。6000番台のものは小型オルゴールに使われるもので、それを3枚同じものを同時に演奏して、の効果を狙うものでした。
3枚のディスクの同期をとるのは結構時間がかかります。サイトオーナーは専用のを使って3日かけました。エロイカを移動させるときガバナーにティッシュペーパーを挟み、コイン・トリップ・アームを針金等で固定しなければなりません。固定する前にエロイカを傾けるとコイン・トリップ・アームの一部を支えている短いシャフトを曲げて(サイトオーナーが経験済み)しまいます、くれぐれもご用心。 なおDavid BowersののP225〜227にこの項目に関する写真や解説が掲載されていますのでご覧ください。
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